俺と異能と
俺の身体能力の異常差はたしかにわかっていた。だがそれは生まれつきだと
「お前は生まれつきというがまず貴様はどこで生まれどう育ったか。おぼえているのか?」
自分のことがわからないやつがどこにいる?俺はエンドレアス学園に入る前に中学は、中学は?なんでだ?なんで思い出せない?
「当たり前だ。それはお前が与えられた偽りの記憶だからだ。やつの異能はかなりの熟練者。流石はナンバーズとも言えよう」
お前は俺の記憶を知っているとでも?
「当然だ。我は異能の王だぞ。魔王とは言ったが異能王の方がいいかもな。我という異能を使えるのはお前だけ。まずは目の前のゴミから処理するか」
俺の頭の中で響く声、異能王が言うと右腕をちぎられたジミは泣きながら叫んでいた。
「う、おぉ。こりゃひ、ひでぇ。俺を騙すなんて!俺より弱いと思っていたのに!弱いものいじめは嫌いだがお前は弱いものいじめになるくらいの弱さじゃないと思っていたのに!」
俺はジミに近づくと左腕、左足、右足もちぎる。
「や、やめて!こ、殺さないで!俺はまだ死にたくは」
「ヤクザなのに死ぬ覚悟ができていないと?人を殺しているヤクザがよ」
「俺はまだ人殺しなんてしたことはない。だから見逃し・・・」
俺は最後にジミの顔面を潰すとジミを殺した。ジミの異能空間はジミが死んだというのに解除されない。なぜだ?
「この異能空間は特別だ。だからこそ我もこうして貴様に声が届いたのかもしれん。この異能空間は絶望しているやつがまわりにいるかぎり解除されることはない。いわば本人が死のうとも巻き込んだものの絶望がなくなるまではそいつらの檻となる。だからこそ身内で殺しあったりするのだろうな。この異能空間では」
なんで胸糞悪い異能空間だ。しかしこれだと全員絶望しているから俺たち永遠に囚われたままじゃ。
「我を誰だと思っている。この程度の異能空間など壊すことはぞうさもない。おい我よ。お前は地面に手を当てよ」
俺は頭の中に響く異能王の声のままに地面に手を置くとジミの異能空間はなぜか消滅した。
「こ、これは」
「この程度の異能なら我が支配して解除してやる。貴様と心中するのはごめんだからな」
「俺もまだ死にたくはねぇな」
俺が独り言のようにいうと
「記憶を取り戻したのか?我が友よ」
地下3階へと誰かが降りてきて俺にいう。あいつは
「お前はゼム!」
「そうや。君のダチのゼムや」




