ギュウの異能
このしょーもないものが異能?何を言っているんだギュウは。十分強くないか?確かに戦闘じゃ役には立たないかもしれないが失敗が許される異能なんて。
「僕の異能はマケルモノ。負けた時に僕のせいにされても僕が意見をいえば誰でも許してくれる。そんな異能だよ。負けた時にしか使えない異能だよ」
確かに負けた時にしか使えないと言うのは厳しいな。チームランク戦勝てないじゃないか。
「別に勝てないわけじゃないよ。あの2人がしっかりしてくれれば勝てるし。負ければ僕のマケルモノでどうにでもなるから。でも勝つ為にはあの2人にはしっかりしてもらわないといけないんだよ。僕もいい職業に就きたいからこそこの学園に来たんだから。僕的にはこのチームランク戦の制度は嬉しいものだけどね」
「そうだな。俺にも嬉しいものだ」
俺はギュウに言うとギュウは笑いながら
「何言ってるんだよショウ。お前は実力があるんだからいいだろ。僕は全然強くないからね」
ならこのエンドレアス学園にどうやって入学したんだよ。ここ、一応超難関学園だぞ。
「ショウは僕がどうやって学園にきたか気になるようだね。教えてあげよう。学園から招待状がきたんだよ。僕の異能が興味深いから学園に来てくれないかって。ただ学園での生活、学業でダメでも学園側は庇わないという約束でね」
「そんな!あなたずるいですわよ!私にもそんな招待状はきていないというのに!」
モルクが俺とギュウの間に割ってはいる。モルクってそんな自分の異能に自信があるのか?石を作る異能。
「そんなこと言われても僕は知りませんよ。学園長が選んでるんじゃないですか?一応僕、この学園に来るまでは敗北王ギュウと呼ばれてましたから」
悲しい呼び名だなそれは
「わ、私だって!お父様達が過保護にしなければ私だって!」
モルクは手を握りしめながら言うと先に訓練所から出て行く。マルは
「恵まれた、育ち。羨ましい」
恵まれた育ちが羨ましいか。確かに口調的にモルクはお嬢様っぽいな。また後で聞いてみるか。
「ギュウ。それじゃまた明日な。訓練助かったよ」
「それは僕のセリフだよ。むしろ僕は戦えなくてごめんね。こんな僕でも仲良くしてくれるとうれしい」
「何言ってんだよ。この程度で友達をやめるわけないだろ」
俺がギュウに言うとギュウは「ありがとう」といい、俺とマルは訓練所を後にした。
俺とマルは寮に戻る道中にマルが
「ショウ。少し話を聞いてほしい」
「ん?いいけど急にどうした?」
 




