参戦
「嫌な予感がして先に遠足の護衛から戻ってきてみればこんなことになっているなんてな」
コウロに体当たりをかました男はバサラだった。
「バサラ!」
「アザー。無事か」
「ええ。なんとかあたしは無事よ。あたしよりあんたは大丈夫なの?汗の量がすごいわよ」
「そりゃ急いで帰ってきたからな。タクシーも乗り継いだし現金がもうほぼないぜ。全く。学園のポイントが使えれば楽なんだがな」
バサラはアザーに冗談混じりに言うと壁に叩きつけられたコウロが
「・・・バサラ」
「よう。コウロ。俺たち2人、お前が拐われてからずっと心配してたんだぜ。帰ってきたってことは俺達のもとに帰ってきてくれたってことだろ?」
「違うよ。バサラ達2人と決別するために僕は今日きたんだ。バサラは遠足に行くときいていたから今日はアザーをぼこぼこにしておくだけにしておこうと思ったんだけど」
コウロはバサラに言うとバサラは
「なぁコウロ。今のは俺の聞き間違いか?アザーをボコボコにするって」
「そうだよ。アザーをボコボコにするって言ったんだ」
コウロがバサラに言った瞬間、バサラはコウロに殴りかかりコウロは自分の異能でバサラが自分に攻撃してきたことをなかったことにする。
「なに!?」
「バサラ。あれだけ差があったのにごめんね。僕は暗黒企業で異能に目覚めてから自分のことも鍛えてね。だから君たち2人じゃ僕に勝てない」
「勝てないね。それを言って俺が引き下がると思っているのか?コウロは」
バサラはコウロに言うとコウロはなぜか嬉しそうな顔で
「それでこそバサラ。完全に戦う気が失せるまで付き合ってあげるよ。僕が今日来た理由はまさにそれだからね」
バサラは諦めずコウロに何度も攻撃し続けバサラは攻撃したことがなかったことにはなるが気味の悪い感覚だけが残りバサラは数時間後には精神的に疲弊していく。
「く、くそ。息はあがらないのに気持ちの悪さだけが残ってかなり気分が悪い」
「だろうね。僕の異能は精神的に追い詰めるのは得意だしそれに適している。なんせ攻撃はしていないのにしたという感覚だけが脳内には残るからね。そろそろ僕も攻撃させてもらうね。それ」
コウロは何もないところに攻撃したかと思うとアザーはいきなり廊下の壁に激突し、気絶する。
「は、は?」
「今僕の攻撃はアザーにあたったことにした。今の僕のパンチ、威力はあるからいくら防御の異能持ちのアザーでも壁に激突すれば気絶すると思うよ」




