ゴウの異能
「それにさっきから思っていたがお前ら俺の前で頭がたかいぞ。ひれ伏せ」
ゴウと呼ばれる男が言うと俺の体は急に重くなる。ペロちゃんの方を見るとペロちゃんも俺と同じく地面に顔をつけていた。
「そうそう。それでいいんだ。俺の前に立つやつは。俺より弱いやつは俺の前でひれ伏していればいいんだよ」
か、体が重てぇ。これは、まさか。
「この異能は、まさか重力、か?」
「お、そこのお前みるめがあるなぁ。俺の異能が重力だってさぁ。まぁわかったところでどうにかできるもんでもないがな。異能は使うやつによって強さは変わると言ってもいい。重力の異能だって使う奴が弱けりゃ意味はない。そこの女の氷の異能もなかなかのもんだが俺の異能の方が上だったってだけの話だ」
「は、はっ。言ってくれる、じゃない。少しは本気を出してあげよう、かしら」
ペロちゃんは立ち上がろうとするが
「無理はするな。俺の重力の前に立ち上なろうとすればお前にかける重力をもっとあげる。おとなしくしていれば何もしないから今回はもう俺たちを見逃すんだな」
ゴウと呼ばれている男が言うとペロちゃんは
「ふ、ざけないで、私は、負けることは、嫌い、なのよ。あなたを逃す、なんて」
「負けるのが嫌ならこの決着は今度にしてやるよ。俺は忙しいんだ。それに俺たちのことより自分達の学園の心配をした方がいいな」
エンドレアス学園の心配だと?なぜこいつらがそんなことを?
「お前らの学園には暗黒企業の部隊が襲撃する手筈になっている」
「なん、だと。お前も暗黒、企業のやつら、じゃないの、か?」
「はん。あんな奴らと一緒にするなよ。俺はあいつらを利用するだけ利用するだけさ。それじゃあな。また機会があれば会おうな」
「ま、ち、なさい!」
ペロちゃんは精一杯動こうとするがゴウと呼ばれる男の重力の異能は強く、俺たちは身動きもとれずにやつを逃してしまった。
奴が去って数分後に重力の異能がとけてペロちゃんは奴を追おうとするが俺はペロちゃんをとめる。
「ショウちゃん!なんでとめるの!あんな奴私が簡単にしとめて」
「ペロちゃんだめだ。今はエンドレアス学園に危険が迫っているのを先生に伝えないと。俺たちは別に負けたわけじゃない。モルクとキリさんを助けた時点で俺たちの勝ちだよ」
俺はペロちゃんに説得するように言うとペロちゃんは仕方ない感じで「わかったわよ」と頷き俺はモルクを担いでマルはキリさんを担いでペロちゃんと急いで山頂に戻った。




