乱戦
「ぐ、おおっ!」
コンバートルは足部分からだんだん凍っていき、最後まで足掻いていたが結局数秒後には全身凍りつき、地面に落ちると体がバラバラに砕けてコンバートルは死んだ。
「ショウちゃん」
コンバートルが死んだあと俺にペロちゃんは呼びかける。
「なんだペロちゃん」
「このことは他言無用ね。一応学園長とキーラ、生徒会長は私がこれを使えることを知っているけどね」
異能空間のことか。確かにこれはひけらかすようなもんでもないな。
「しかしリノはどうする?学園に帰ったら学園長に何か言われるぞ」
「それならちょっと待って。私に考えがある」
ペロちゃんが異能空間をとくと先ほどまでいたタグラザキ山に移動し、体がバラバラになったリノの体と首が残っていた。
「私の凍りは私自身がとかないととけることはない。だからこうしてっと」
ペロちゃんはリノの体を数分かけてもとのいい感じに戻すと
「これで一度氷を解いてっと」
リノの身体は部位的には揃っていたがやはり凍りをといてもぼろぼろとくずれていく。
「まぁ、こうなることはわかってるけど氷で凍らせて無理やりくっつけてっと」
ペロちゃんはリノの死体の体を氷で無理やりくっつけた後に首の部分もくっつける。
「後は体が腐らないようにと」
ペロちゃんはリノの体を全身また凍らせて
「それじゃショウちゃん。運んで」
えー。俺が運ぶのか。ま、ペロちゃんなりにリノの体はなおしてくれたしそれくらいはしてやろうかな。もとをただせばペロちゃんのせいなんだけど。
俺は凍っているリノの体を持ちながらペロちゃんと共に山頂に向かう。
やばいな。リノの体を凍ってるからめっちゃ冷たいし滑る。今日荷物あんまし持ってこなくてよかったわ。
俺とペロちゃんは山頂を目指しているとまたしても敵と遭遇する。そこで戦っていたのは敵とではなく、エンドレアス学園の生徒同士。
「あれ?ペロちゃん。試験は中止になったんじゃ」
「・・・あれはちょっと様子がおかしいね。普通に戦っているというより誰かが操って戦っているわね」
確かによく見てみたら戦っている割には動きがぎこちない。簡単に避けられる攻撃とかも雑に当たったりしているし。なんなんだこの茶番は?
「おやおや。きたのかショウ」
俺とペロちゃんの背後に山の木々に隠れていたのかゆっくりとものおとなしそうな生徒が現れる。
「なんだお前。俺を知っているのか?」
「ええ。知ってますとも知ってますとも。なんせ私の班にはあなたと同室のマル君がいて、そして」
俺とペロちゃんはものおとなしそうな男に対し振り向きながら喋るとまた背後から俺を攻撃してくる。俺はリノを持ちながらそいつの攻撃を避けた後にそいつの姿を見て驚いた。




