第四十一話 『流石に骨が折れる』
「ん? なんかそこら中から魔力を感じるんだけど。」
ツカサは、クルトの異変に気が付いたのか咄嗟に振り返った。
ツカサは別に、クルトの姿が見えている訳ではない。
単に、クルトから発されている妖精族特有の魔力を感じ取っているだけだ。
『どれが本体か、これで分からなくなったのさ。』
そう言ってクルトは、散開をしながらツカサへと迫る。
「全くもう、すぐさまナギサのところに行かないといけないっていうのに! 仕方ないわ、一旦あなたたちを倒してから改めて向かうことにしますか。」
そう言って、ツカサは地面に手をついた。
「魔力を結構使うから、この手は使いたくなかったんだけどね。」
その瞬間、能動的に動くはずの無い地面という地面、さらには周囲にある建物までが盛り上がった。
そして、その盛り上がったものたちは一気にクルト達の周囲に集まりクルトたちを囲むような形の部屋を作り出した。
『こんなものっ、』
クルト達は一斉に上空に跳んで逃げようとする。
しかし、
「残ね~ん。」
『ギャッ』
横の建物の柱が全ていきなりクルト達の上に伸びてきた為、結果的に建物や地面を集めて作られた部屋に落ちてしまった。
「それで、柱の壁にぶつかったあなたが本体ね。」
『し、しまったのさ。』
クルトはもう一度脱出を試みるが、既に周りの地面や建物はクルトを囲む部屋を完成させており、脱出は出来なかった。
「よし、これで厄介な妖精さんは捕まえたから、後はあの魔族の子と行方不明だった勇者ちゃんだけだね。」
『ま、待つのさ。』
ツカサは当然クルトの声は無視する。
当然、クルトは地面や建物で作られた壁を破壊しようと魔法を使用するが、一向に壁が崩れそうにない。
「まあ、流石にあの二人と正面からやり合うのは骨が折れるし、なんか作戦を考えないとだな。」
そう言って、ツカサはリトライラと葉山のところへ向かっていくのだった。
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「おっ、ここからは普通に歩けるっぽいね。」
地面を滑るのが難しい為、地面を砕きながら走っている姉さんがそんなことを言う。
僕は確かめる様に地面を踏みしめる。
「あっ、本当だ。」
僕は普通に歩ける様になっていることに確認したため立ち上がった。
ずっと滑っていたから、若干腰が痛かったからありがたい。
「これで走れるね。」
「うん、そうだね。」
僕らはそう思い走り出そうとしたその時、道端に縄で拘束された状態で倒れている一人の少女を見付けた。
(あ、怪しすぎる。)
明らかにおかしい。
兄さん曰く、ここは人族領のヴィルフェンス王国とやらの王都らしい。
当然警備は厳重だろうし、何よりもしあの少女が誰かに攫われそうになって縄で拘束されていたとしよう。
だがそうすると、彼女を攫おうとした者はどこだ?
まあ、彼女の特殊な性癖だという可能性ももしもしもしかしたらあるかもしれないけど。
とにかく、不用心に近づくのは危険過ぎる。
だが、
「だ、大丈夫!?」
こういう状況で、頭よりも先に体が動いてしまう人がここに居る。
そう、姉さんだ。
「ねえ、大丈夫、意識はある?」
そう言って、姉さんは少女に話しかける。
今のところはまだ何も起きていない。
だが、警告はしておくべきだろう。
そう思い、僕が姉さんに話しかけようとした時、
「は~い、いらっしゃ~い。」
そんな声が聞こえてきた。
僕は驚いて背後を振り向くが、そこには誰も居なかった。
(だ、誰だ?)
周囲に人影は無い。
僕は周囲に警戒をしたが、特にさっきとの異変は見られない。
「気のせいかな。」
しかし、僕がほんの一瞬気を抜いた瞬間、突然の浮遊感に襲われた。
「っ、」
確かに、周囲には何も変化は無かった。
しかし違った。
気にするべきは横じゃ無かった。
下だ。
そう認識した直後、僕は「フュゥゥーー」という落下音を出しながら、一気に十メートル程落下した。
そして、数秒の滞空時間を体験した後、僕は地面と物凄い勢いで衝突した。
(流石に、骨が折れたかな。)
最後に少しだけダジャレ要素を入れてみました。
まあ、執筆した時が深夜テンションだったので、いずれ消されてると思います。
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