第二十三話 『方針を立てるか』
「あーー、本当に疲れた。」
清原君はダンジョン内だということもお構いなしに、バタりと床に倒れた。
そして、清原君は溜まりにまった疲れを身を委ねてボーっとし。始める。
クルト君からここまでの経緯を大まかに聞いてはいるから、清原君があそこまで疲労に満ちた顔をしてしまうのは仕方がないと思う。
(せめて、周囲の警戒くらいはやらないと。)
クルト君にはこれまでの経緯と共に、このダンジョンが新しくなって強化されたことも聞いている。
曰く、常人がレベル10くらいでこのダンジョンに潜っていたら間違いなく即死、とのこと。
昨日鑑定の時に潜った時のダンジョンを基準に考えるのは止めるべきだと思う。
(今くらい、清原君を守らなくちゃ。)
私は、この世界に召喚されて良かったと思っている。
だって、「一途」という、清原君を守ることの出来る力を手に入れられたのだから。
借り物の勇気だということは百も承知だ。
さっきだって、清原君がダンジョンへ私を連れて行ってくれなければ、きっと私はは冥皇に捕まってクルト君の予言通り洗脳されていたことだろう。
それでも、私は私のベストを尽くすだけだ。
それが一番、清原君を守る為に私にできる最善の行動なのだから。
私は「隠密」を使用しながら、清原君が起きるまで最大限周囲を警戒し続けるのだった。
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「じゃあ、今から現状と今後について話し合って行きたいと思う。」
「うん。」
『了解なのさ。』
十分くらい経ち、清原君が休息を終えた為私たちは今後のことを話すことになった。
私は、座りながら清原君の話を聞く。
「まず、時間軸を正すぞ。俺とクルトは、今から約四十分後の未来から転移してきた。そして、葉山はこの国の定期集会が終わった後の自由時間に、過去の俺とダンジョンまで歩いて来た、って状況だ。」
「ふむふむ」
「俺とクルトは、未来で小紋と葉山があの冥皇に洗脳されていたことに気が付いて、一旦過去へ戻ってきたんだ。」
クルト君からも聞いているけれど、情報を一旦頭の中で整理し直す。
「しかし、俺とクルトは過去へ転移したにも関わらずに冥皇は追いかけてきた。そのせいで、俺たちは身を守る為に今こうしてダンジョンに居る訳だ。オーケー?」
「オーケーだよ。」
『オーケーなのさ。』
「じゃあ、ここからが俺の考察だ。この時間軸で初めて冥皇と会った時、冥皇は「わしのマーキングにいきなり反応があったと思ったら、」みたいなことを言っていた。そして、「お主らに「追跡」を使用した覚えはないのじゃがのぉ。」、とも言った。多分、この言葉からあいつのスキルの一つは分かったと思う。」
確かに言ってたね。
あの時は突然の事態で思考が困惑で染まっていたから気にする余裕はなかったけれど、思い返せばその言葉はけっこう重要なことなんじゃないかな。
流石清原君、突然あんな事態が起これば誰だってテンパったり焦ったりしても可笑しくないのに、それを乗り越えて更にその時のことについて改めて冷静に思い返して考察するなんて。
本当に頼りになるなぁ。
「きっと、冥皇は「追跡」だと思う。効果は、相手に自分だけが感じられる何らかの目印を付けて、相手の位置を把握することができるんだと思う。「次元転移」で過去に戻っても、俺の肉体だけは変わらないからな。俺自身がトリガーになっているんだったら、効果は過去へ戻っても継続されるはずだ。」
「じゃあ、もう過去に転移しても冥皇からは逃げられないっにてことなんだ。」
「ああ。」
『まあ、流石は冥皇といったところなのさ。清原様の「次元転移」の弱点を簡単に見抜くとは、伊達に人類最強候補じゃないのさ。』
クルト君曰く、私たちの情報は鑑定石によって調べられている為、最初から持っていたスキルの効果は全て知り尽くされているだろうさ、とのこと。
もう少し、鑑定されることに警戒心を持っておくべきだったかな。
まあ、後の祭りだよね、こういう考えは。
次から気をつければいいんだ。
だって、それが今私の選べるベストな選択だから。
「じゃあ、次にルチアーノとは誰なのか、についてだ。さっき冥皇はそのルチアーノとかいう奴に葉山達の洗脳を命じられたと言っていた。正直、こいつについて俺は全く見当が付かない。まあ、この世界に来てからまだ一日程度しか過ごしてないから見当の付けようがないんだよな。」
『オイラも、このヴィルフェンス王国の重要人物にルチアーノなんて名前の男に心当たりが無いのさ。』
う~ん、クルト君が知らないのならお手上げかな。
当然、私にだって心当たりはないのだし。
「まあ、とりあえず今は冥皇とルチアーノとかいう男が敵だと、いうことを認識しておくしかないな。」
「うん、了解。」
そう言うと、清原君は立ち上がった。
私もそれに合わせて立ち上がるが、長い間床に座っていたからか足が若干痺れてる。
「よし、じゃあそろそろレベル上げを始めるか!目標はレベル200。そのくらいあれば、少なくとも冥皇に後れを取ることは無いはずだ。」
『「おーーー!」』
私とクルト君は、息ぴったりに声を上げた。
少なくともレベル200。
それくらいあれば、きっと清原君を冥皇から守れるはずだ。
この世界では、絶対に清原君を守る。
それが、私の覚悟だから。
今日はもう一話投稿しますよ。
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