表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/10

2. 突然の終わり



平和は壊されたのだ。

エブリデイ(毎日)の平和が。ピースフル(平和)ピースフル(平和)マイライフ(学園生活)が…。

わたしの平和は突如として壊された。

実際に、この事を考えた時にそんなことある?って思った。

まぁ…そんなことありましたけどね…。なんでなんだろう…。なんでこうなったの。


今まで、平和な生活が終わりを告げるとは思わなかったし考えたことすらなかった。

今は、平和から離された危うい生活なんていやぁぁぁっていう感じしかしない。


誰に壊されたかって?…それは()に、である。


「ここに関してのメルルの見解は?」

「なんでいつもここに来るんですか?!…あと、わたしに聞かないで下さい」

「それはメルルと話すのが楽しいから…それにここに俺がいちゃいけない理由なんてないだろ」

「それはそうですけど…わたしは楽しくありません」

「本当かなぁ…昨日も楽しそうに話しただろ」

「それは幻覚では?…一度医者に診てもらうことをお勧めしますアーネスト様」

「俺は生まれてから17年間一度も病気になったことがないからな、これでも」

「…そうですか」


わたしのピースフル(とても平和)な生活を壊した犯人は、アーネスト様である。許せない。


ここは、教員の為の研究室だ。

なぜ、わたしがここにいるのかというとこの研究室の持ち主がわたしの叔父様だからである。叔父様はわたしがわざと平均を保っていることを知っている。

そして、放課後はほぼ毎日ここで研究を手伝ったり、遊びに来たり、勉強しに来たりしていた。…していたのだが、ある日突然こいつ(アーネスト様)は現れた。叔父様に質問しに来たらしい。その時に()は、わたしがいるのも見た。こいつ(アーネスト)と目が合ったのだ。

それから、奴はちょくちょく研究室に来るようになってしまった。何気に叔父様にも気に入られているし…解せない。なぜなんだ。こいつのどこがいいんだ。それで放課後にこの研究室に入り浸っているわたしとも話すようになった。わたしは話したくなかったけど…。しかも、わたしが勉強しているものも勝手に見られた。見るな〜って言いたくなった。

それに、叔父様に気に入られたこいつは、わたしが実は頭が良いという事実にも勘づいた。だから嫌だったのに。それに叔父様は結局その事も勝手に話しちゃったし。酷いよ叔父様〜。うっかりしてたよごめんね許してという感じで謝られたけど、心から悪いと思ってないでしょその謝り方っていう感じの謝罪だった…。

つまり、何が言いたいかというとアーネスト様は頭がとても良い。わたしから見ても、とても頭が良いのだ。天才である。彼は本当に天才なのだ。だから嫌なのに…。こんな目立つ人とは関わりたくないよ。わたしのピースフルな生活が危うくなるよ。もはや危ういよ。返してわたしの今までの平和で平和だった生活を…。返してえぇぇぇぇぇ…。


その入り浸り始めてしまった彼に、なんでテストで手を抜いてるの?って言われたことがある。抜くでしょ、普通。わたしは抜きたい。目立ちたくないからって教えてあげた。そしたら彼に、勝負したいって言われた。あの〜、わたしからの()()()()()お話ちゃんと聞いてました?…絶対に聞いてたよね。なぜそうなるの。勿論嫌ですって告げて逃げたけど。そして逃走した。奴から逃走を図るしかなかった。逃走を図ったのは良かったけど、奴があんなに素早いなんて知らなかった。捕まって連行された。こいつ早過ぎないか。悔しい…。

それで、彼はその後いつか勝負しようね…待ってるからと言ってふっと微笑んだ。いきなりふっと微笑むのやめてほしい。何気に顔整ってるし。わたしの心臓に悪い。あと、毎日来るの本当にやめてほしい。人の言うこと聞かないし…。とりあえず、人前で話しかけるなっていうことは無理矢理理解させた。これだけは譲れない。それでも危ういんだよぉ。嫌だあぁぁぁぁ。危うい生活なんて嫌だあぁぁぁ。最高に嫌すぎる…。


そうして、平和は着々と壊されていった。



































評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ