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探偵に優しさはいらない  作者: 影咲シヲリ
12/16

第11話 容疑者4から7の証言

第4の容疑者 小芝さん

小芝さんからは、天文部が撮影していた記録映像を見せてもらった。

9時45分ごろ、旧校舎の窓から明かりが漏れた瞬間だ。ほとんど白い点にしか見えないが、それ以前には存在しなかった何かが確実にそこにあった。

これは記憶を記録で確認したに過ぎないけれど、確かにあの時間、あの場所で何かがあったという客観的な証拠が存在しているのだ。


第5の容疑者 ガタイのいい1年生

眠っているようで部屋から出てこない。割愛する。


第6の容疑者 宮川先輩

今は何も話したくないといって部屋から出てこない。今はそっとしておくことにする


第7の容疑者 支倉先生


「おいおい、なんだよ。お前たち探偵の真似事とか不謹慎だぞ」


「真実が、闇に葬り去られることこそ不謹慎じゃないですか!」


「おい、曲輪。お前さー俺に対してだけ態度でかくないか? いつもは受験勉強以外興味のない孤立した女子高生を演じてるけどさぁ。不意にキャラ忘れるときあるよなぁ。まぁ青春だからさ、それはいいんだけど俺を巻き込むなよぉ。ひょっとして、俺のこと舐めてんじゃないの?コイツ超使いやすいとか思ってない?だいいち、がり勉ぶってるわりに成績あんまりよくないからなぁ、お前。ちょっと心配しちゃうぞ。あ、いやいや挑発してるんじゃないって。俺はお前のこと好きだぞ。愛の告白? 違う、違う。なんでそうなるんだよ。成績の話だよ、なんていうかムラがあるんだよ。好き嫌いが激しいっていうかなぁ。好きなことだけして生きていく系なの?いい指導者がつけば伸びると思ってるぞ。なに、自分が指導してやるって誘いか、夜の指導までするつもりかだと?お前なぁ、やっぱ俺を馬鹿にしてるだろ。俺ならどれだけいじってもいいと思ってるだろ。いじめの構造だぞ、それ。いじめはんたーい。まぁ、もう何とでも言ってくれ。それでも俺はお前が好きだ、そういう捻くれたとこも含めてだ。あーあー変態教師とでも何とでも呼べばいいさ。お前が将来どういう人間になるかが楽しみだよ。つまらない人間だけにはなるなよ。え、酔ってるのかって? もちろんだ。飲まずにやってられるか。連城なんて俺と何も関係ないんだぞ。旧校舎の管理は俺の責任じゃねーよ。それなのにだぜ、明日は教頭に報告、校長に報告、警察にも説明して、ご両親への説明にも付き添うことになるぞ。通常業務は全部そのままで、だ。俺はただの第一発見者だぞ。第一発見者を疑えだと?てめぇ、誰のせいで第一発見者になったと思ってんだ、この野郎。俺を寝かせろ、もう俺は疲れたぞ。何もしたくない。私は貝になりたい。俺は貝だ、もう何も話さないぞ。これは事故だ、誰かの不幸な事故だ。俺のじゃない。殺人事件だとぉ? 漫画の読みすぎだろ。金田一か。コナンか。Q.E.Dも読め。いいか、若人よ。密室トリックなんてモノ、現実に起こったりはしないんだ。そんな面白いこと、それこそ、マスコミが押し寄せるぞ。マスコミ対応は誰がする。あーん。俺か? 俺を殺す気か。寝ろ、もうお前たち寝ろ。って、曲輪ぁちゃんさぁ、お前なんて恰好してるんだ。エロいぞ。よーし俺は、女子高生のへその穴を凝視するぞ。凝視するぞ。おい、黙るなよ。ガチっぽくなるから……」


 酔っ払いうざい。


「どうするセイラ? これ使い物にならないわよ」

 

「先生からスマホを借りてもらっていい?」


「よし、奪った」


「アラームを設定、6時起床。6時半に会議室に関係者全員を集めること」


「よし、設定完了」


 私は支倉先生の胸ポケットにスマホを差し込むと、ドアを閉めて先生を部屋の中に押しやった。


「いよいよ、決着のときなんだね」


「うん。始業の鐘までにはすべてを終わらせる」



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