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探偵に優しさはいらない  作者: 影咲シヲリ
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第9話 容疑者2の証言


「すいません。運動したからお腹がすいちゃって」


 天文部部長の小塚先輩は食堂の厨房にいた。

 カレーパーティの後片付けのためだ。まだ十分に残っていたカレーを、温め直してもらったりしてくれた。


「作りすぎて困ってたところさ。明日の朝、部員で始末しようと思ってたんだけれど、それでも量が多くてね。好きなだけ食べておくれ」


 と、温かい言葉をいただいたの私はしばらくカレーを食べている。

 セイラと部長の会話だけはキチンと書き残すので、私のことは放っておいてほしい。


「ええっと、質問なのですけれど、今回のイベントに参加予定だけど参加しなかった生徒とかはいますか?」


「いないね。当初から応募者は5人だけだ」


「今回のイベントが生徒に告知されたのはいつ頃ですか。今日、「星を見る会」を行うことが決まったのはいつのことですか」


「告知は9月中には張り出していたね。21日だったかな。今日やると決まったのは何億年も昔かもしれないね。天体ショーを見られるのは今日だけだから。次は33年後だよ。「星を見る会」は毎年恒例だけど、今年やるとしたら今日しかない。天文部の人間なら全員がそう考えるはずだ」


「旧校舎に明かりが灯ったことに気付きましたか。その時どう思いました」


「僕と冬月さんが気付いたタイミングはほぼ同時だったと思う。君が何を聞きたいかは察しが付くよ。たしかに、イベントの邪魔をされたくないと思ったね。不良グループの誰かが旧校舎に忍び込んだくらいの話だし、大騒ぎすることじゃないと思ったのは事実だよ」


「小塚先輩は連城先輩のことをご存じでしたか? 旧校舎に彼がいるかもと考えましたか?」


「同級生だからね。彼のことは知っている。よくない連中と付き合ってるのもしていたけど、彼があそこにいるとまでは考えなかったな。なんていうかな、彼は不法侵入とか法律を破るようなことまではしないタイプだと、僕は思っていたよ」


「午後6時から7時までの1時間ほど、部員たちに姿を見せなかったと聞いていますけど」


「買い出しに行ってたんだ」


「証明できますか?」


「レシートは保管しているよ。打刻されているはずだ」


「ありがとうございました」


「僕は事故であってほしいと思ってるよ。殺人なんてことは……ね」


カレーうまうま。



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