秀吉に謁見した未来人(未来人の退化)
「秀吉様。謁見を申し出ておる者がございます」
「誰じゃ?」
「何やら数百年後の日本から来た暴走族とか」
「は?なんだそりゃ?暴走?駆け足でも速いのか? 面白い。通せ」
ーーーーーー
ペシ!!
「痛たたた。秀吉様。それは扇の角!」
「甘い!甘い!なんだ!その頭はぁ!」
「頭?」
「なんだその中途半端な剃り込みは~! 甘~い! もっと後頭部まで剃らんとチョンマゲは結え~ん!」
(「甘い」なんて言われたの、、初めて、、)
ーーーーー
「まあ良い話せ。この先の我が国を。駆け足族。」
「駆け足? えっとぉぉ、では駆け足に因みまして、、、わたくしのおる世界にはオリンピックというものがございまして。世界中の者が色々な競技を争い、世界一を決めるという祭典でございます。日本で来年やっちゃいます」
「アテネのオリンピアではないか? とっくにやっておる。」
「しかしながら、その時代のものとはだいぶ異なりまして近代オリンピックと申します。競技数も増え、多種多様」
「ほ~う」
「42・195キロを走り抜けるマラソンなどは日本記録、なぁんと! 2時間5分29秒!」
ペシ!ペシ!
「痛いたたたぁ」
「甘い!甘~い! うちの飛脚を知らぬのか!山を越え、川を越えその記録2時間5分10秒!自慢じゃないがワシの中国大返しなぞ、その記録を上回るわ!ハハッ!」
「んん~ではでは、槍投げ日本記録はなんと!87m60!」
ペシ!ペシ!ペシ!
「甘い!甘い甘ぁい~! お前、槍の又兵衛を知らぬか? その記録87m62。しかもその距離でありながら一発一中、コントロール抜群。敵の心の臓を射抜く!甘い!」
「ではではでは、走高跳の日本記録。驚く事なかれ。なぁんと!2m35!」
「甘い、、天井を見ろ!」
「天井?」
パカ。
「おっ開いた」
「小奴ら伊賀の者。家の屋根までひとっ飛び!その高さ2m38。しかぁも助走無ぁし!」
「お~」
「もう、良いわ。未来の日本人は退化しておる様じゃな。退化した人間なぞ足軽にもならん。お前もその一味。いらん。はい、牢獄」
「えっ?!」
「あっ!ちょっと待って。その背中に愛羅武勇と刺繡の入った紫のお着物。置いてって。ワシにちょうだい」
※前作品『家康に謁見した未来人も宜しかった是非どうぞ!
家康、秀吉、竹の子族、暴走族一同。礼!
※渾身の連載中小説『カザマンス』(西アフリカの部族闘争物語)もよろしくね!
西アフリカ部族、フランス軍一同、敬礼!