職業
期間が空いてしまって申し訳ない
「・・・お・・・お前・・・優太か!?え?なんで女の子に?!」
巨体の姿をしているゴリラこと大樹は動揺しまくりであった。
・・・まあそりゃそういう反応になるよな・・・。
だって男の親友が急に女の子として出てくるんだぜ?ビビるわ。
「そうだよ!何故か生体認証の誤認?で女の子になっちまったんだよ!」
「えぇ!?そんな事ある!?」
もうヤケクソであった。
正直大樹にさえ言うのも嫌だったが今後正直を隠しながらやっても大樹からしたら俺とプレイしてるって事がわからないしただの気軽に一緒にプレイしてくれる女の子として見られてしまう。
そうなってしまったらもう言うタイミングが無くなってしまうのは避けたいから正直に言った。
生体認証から今に至るまでを説明すると大樹は気の毒そうに「ド・・・ドンマイ・・・」とだけ言われた。
クソがああああああああぁぁぁ!!!!
「でもまあ・・・正直俺の好・・・グフ!?」
「・・・それ以上はいけない」
大樹の舐め回すような目付きにゾッとしてとりあえず腹パンをしておいた。
「可愛い顔してエグいことしやがる・・・。ん?待てよ?生体認証で誤認する程って事はリアルでも・・・確かに最近ってか結構前から優太は前髪長くて表情見えないから髪整えたら美少・・・ガハ!!」
「マジでやめろ・・・後リアルネーム言うのやめろ」
・・・しばらくこれは弄られるネタになりそうだ。
「さて、とりあえず何をすれば良いんだ?」
「そうだなー。とりあえず職業決めじゃね?」
「職業?」
「あーそこからか。じゃまずそこからかな?さてはチュートリアルあまり話聞いてなかったな?」
「・・・後半ヤケクソになってあまり話聞いてなかった」
「・・・なんかすまん」
半泣きにならながらも俺はダイキと次の目的を決めて協会に向かうことにした。
どうやらは職業を決める事が出来るらしい。
「転職も同じように教会で行うらしいぞ。まあ最初は小手調べに俺はナイトにするぜ!」
「ナイトかー。何をする職業なの?」
「前衛の壁役、つまりタンク役だ」
なるほど。
タンク役はパーティの生存率が変わるくらい重要ポジなんだよな。
とにかく後衛陣を守ったり前衛陣とコンビネーションをしてパーティを勝利に導く。
しかも今のダイキの見た目がゴリラのように巨体だしナイト役と言われれば納得の姿だな。
「っと協会着いたぜ」
しばらく歩くと教会は見えてきた。
なんというか本当に現実にあるような教会の作りしてるから妙に安心感がある。なに言ってるんだ俺は?中に入ると他のプレイヤー達が稼働初日だからなのか大勢いてその中心には司教がいて一人一人に職業を与えている?のかあれは?
その光景を見るとちょっとドラ〇エ感があるな。
なんてくだらない事を考えてるとダイキは司教に向かって走り出す。
「お先に〜」
「あ!ずるいぞダイキ!」
同じく俺も走り出すが目の前まで来る頃には先を越されてしまった。
ぐぬぬ
「おっさん!俺に職業をくれ!」
「おー…神よ…この者に加護を与えよ…」
いやお前その話しかけ方は無いだろ・・・。
NPCなんだろうけど話し方があまりにも雑すぎてどっかの人間に怒られるんじゃないかビクビクするぞ。
ゲームだから出来ることか。
まあこれまたどっかで聞いたようなセリフが飛んでくると同時にダイキの前に職業を選択する画面が表示された。
その画面を見る限りだと一つ一つにちゃんと役割があってその職業の説明が軽くされている親切設計だ。
そのままダイキは迷いなく[ナイト]を選ぶと光に包まれたと思ったら光が弾け飛んでシステム音が鳴る
[おめでとうございます。"ダイキ"様は[ナイト]の職業になりました。ステータスポイントが10ポイント分けられます]
という表示がダイキの前に表れる。
ステータスポイント?とはなんぞや?
「よし!ナイトになったぜ!ユウも早くやってみなよ!」
「お、おう!」
俺も司教に話しかけるとさっきと同じセリフを言われた後に俺の目の前にも職業を選択する画面が表示される。
「んー?なになに?」
見た感じだとこうだ。
ナイト
パーティ全体を守る鉄壁の盾!
防御力・HPが多めのステータスになります
ウォリアー
攻撃の要!前衛を主に場を掻き乱します!
攻撃力・HP・機動力が多めのステータスになります
アーチャー
遠くからの攻撃はお任せ!
攻撃力・機動力が多めのステータスになります
ウィザード
パーティ全体のステータスを底上げするサポート特化!
MP・知力が多めのステータスになります
プリースト
パーティ全体を回復して生存率を上げる!
MP・知力・幸運が多めのステータスになります
クラフター
アイテム・武器・防具を作るならお任せ!
防御力が多めのステータスになります
ほげー
大まかに見て6の職業があるのか〜って説明雑すぎんだろ!やる気あんのかこの運営・・・。
これは結構慎重に選んだ方が良さそうだけど一応転職も出来るから大丈夫っちゃ大丈夫なんだがダイキの場合は即決だったもんなー。
何せキャラをタンク役にしたい程ゴツイ感じにもしてるしな。
執念が凄い。
「どうした?」
チラッとダイキの方を見ると何故かドヤ顔で俺の方を見ている。
いやなんだよそのドヤ顔は・・・
「なかなか決められないだろユウ?だが俺は速攻決めてやったぜハハハ!!」
ムカ
「そんな事でドヤ顔してくんなゴリラ!!とりあえず俺はこれにする!」
そして悩みに悩んだ結果
[おめでとうございます。"ユウ"様は[ウィザード]の職業になりました。ステータスポイント10ポイント分けられます]
俺はウィザードになった。
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