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教授のキマイラ  作者: Hakuhatsu
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招待

どうもHakuhatsuです。

最初に書いたスカンクの話の続きがちょっと長引きそうなので、ちょっとテイストを変えてみて書いてみました。

今回はちょっとグロが入ってます。

といっても、今回の章ではまだその部分にはあまり触れないので大丈夫だと思います。

夢で見たことがベースになってるなんてぜったいにいえn


「これから行くところは教授がいる研究所だ、くれぐれもご無礼のないように」


 私は先日同期の浅田君からあかざ教授の研究所へ招待された。もちろん、最初は驚いて断ってしまった。

 一か月も行方不明なうえ、警察に指名手配されているからだ。生物学の実験で非人道的な実験をやったとか何とかでその日のうちに逮捕されるはずだったが、忽然と姿を消したそうだ。

 藜教授は私も少しは知っていた。生物学を志望した私は時々教室の外から教授の実験を見ることができた。

 教授の実験はなんというか、強引というか・・・怖かった。とくに実験体に話しかけるところとか。

 でも、生物学の生徒として、何をやっているのか見てみたいという感情もあった。

 

「なぁ、お前ってさ、藜先生の実験結構見てるよな?あれすごくね?」


「そ、そうだね。急にどうしたの浅田君?」


「教授の研究所行ってみない?」


「えっ?ちょっとそれどういう・・・」


「今はあんまり話せないけど、俺、教授の居場所しってんだよ」


浅田君がそう話したときは私は間違いなく興味をもっていた。しかも教授の居場所を知っているとなると、なんだか特別な存在になった気がしてちょぴりうれしかった自分もいた。


「うん、わかった、私も行ってみたい・・・かも」


「よし、そうと決まったら金曜日の放課後、三日後に門で待ってるから」


「あ、うん・・・」


 そういうとさっさと浅田君は去ってしまった。



            

     *  *  *



 そうこうしている間に金曜日の放課後は来てしまった。


「おーい、こっちこっち」


私は手を振り返すと、浅田君のところへ行った。


「じゃぁ行こうか」


 はたから見るとどう見ても付き合ってる二人のようでちょっぴり恥ずかしかった。

 それにしても浅田君は顔を真っ赤にして興奮していた。浅田君もまんざらじゃなさそうだ。でもちょっと藜教授に似てきたような・・・。


「それで、教授の研究所ってどこにあるの?」


「しっ、声が大きいよ。車に乗ったら教えてあげる」


「うん・・・」


 このころ、私はこの招待を承諾してしまったことに少し後悔していた。少しづつ浅田君が怖い人に見えてきてしまったからだ。

 でも浅田君は2年くらい知っている同期だから、おかしくはならないだろうと思っていた。

しばらく浅田君は山のほうへ車を走らせていた、が、突然森の横で止まりって「ここからは歩いてくんだ」といった。


「教授の研究所を見つけるのは難しいからね」


 浅田君は結構詳しいようだった。話してるときに少し笑っているのがちょっぴり不気味だと思ってきたのはこのころだったかな。

 すると浅田君は


「今更だけど、この場所は誰にも言っちゃいけないからね。まぁ誰にも言わないと思うけどね」


「うん、わかってる」


 しばらく森の中を歩いていると、湿地帯に出た。

 さすがに不気味だったから浅田君に聞いた


「ねえ、本当にここなの? 私ちょっとやめようかな」


「ここだよここ!あと少しだから!ほら、沼の上に木の橋があるだろ?あれをいくつか渡ったらドアが見えるから」


 このころ浅田君はちょっとじゃなくて普通に怖かった。どうしても私を連れていきたいっていうオーラが誰でもわかるくらいに出ていた。

 そのとき逃げていればよかった。後ろの森を抜けられるかどうかなんて迷ってる暇があったら逃げてればよかった。


「なに、あれ・・・」


 湿地帯に生える木のツタに支えられるように、シロアリの女王の腹部のような脈打つ袋が連なっていた。

 少しづつ脈打つそれは、湿気でてかてかとしていて、中も透けて少しだけ見えた。


「浅田君。あれ絶対おかしいよね」


「あれは藜様の新しい作品だよ!シロアリとナメクジを融合させたキメラなんだって!」


 キメラ?!え?私は今とんでもないものを見ているのかもしれない。いや、間違いなくそうだ。


「あったあった、あそこだよ!あのドアが藜様の研究所への入り口だよ!」


 もう何もかもが急にエスカレートしてて、心臓の音がきこてるんじゃないかってほどに鳴っていた。


「早く早く!」


 浅田君は目を見開いて、もう別人のようだった。

 

「浅田君、もうやめて、私怖い」


「どこ行くの?こっちだよ」


 浅田君は私の腕を強引につかむと、苔でおおわれた木製のドアの方向へ引っ張っていこうとした。


「いやっ!」


 私は浅田君の顔を殴るほうにして押しのけた。


「だめだよ・・・だめなんだよ!」


 浅田君は急に叫びだし、そして怒り出した。

道化のごとくゆがんだ眼のふちからは涙が流れ、目は充血していた。あまりの変わりように私は悲鳴を上げてしまった。


「きゃぁっ!」


 でも浅田君は私の腕を決して放さなかった。そこまで私を連れて行かなくてはいけない理由とは何なのか。

 そして私は気づいてしまった。教授のところに連れて行きたい浅田君。教授の研究している生物学。最後にたどり着いた答えは実験素材。

 私が素材なのだと。


「浅田君、もしかして私って・・・」


「そうだよ!こんなに貴重なそざ・・・人材がいるというのに、見逃せないじゃないか!」


 もうボケをかましている暇はさすがになかった。貴重な素材?私どうなっちゃうの?苦しいの?死んじゃうの?


 いろいろなことが頭の中をよぎる中、浅田君は小走りで追いかけてきた。

 冗談じゃない。つかまってたまるものか。

 幸いあたりは湿地帯で、靄がかかっているし、隠れる木々もたくさんあった。


「おーい、早くー。早くしないと博士が起こるぞー」


 なぜか全力で追いかけてこない浅田君を尻目に、素早く木の後ろに隠れた。

 こっちへこないで。

 相手は同級生でも男の子だ。私よりかは力もあるし、さっきの腕力で分かった。再度捕まったら逃げられないと。


「一番重要な人がいなくなっては話にならないじゃないかー」


 足音がだんだん近くなってくる。

 ザッザッザッっという草をふむ音をたて、浅田君は私が隠れている木の横を通り過ぎて行った。

 台風が過ぎ去ったかのようにほっとしていたのもつかの間、ここへ自分たちが来た道へ浅田君が行っていることに気づいたときはもう遅かった。このまま逃げ帰ってもばったり会ってしまうということだった。


「どうしよう・・・どうしよう・・・・・・」


 仕方がなく、浅田君が十分に見えなくなるまで確認すると、研究所の方角へと歩いていくことにした。


どうもHakuhatsuです。

あとがきなんてあまり読まれるものではない気がしますが、自分自身があとがきを好んで読む者なので、力入れちゃいます。

と、いうことで、もしあとがきしか読まない変な人ではないならば、読んでくださってありがとうございます。

今回もこれが続くのかはいまだにわかりません。

が、スカンクの話より楽しく書けた気がしたので、頑張りたいです。


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