第9章:バイト禁止?じゃあ配信で稼ぐしかない!
ヒカルは茜がSNSを使えないと思っていた? そんなわけない!
この章では、茜がネットで生配信をして、ヒカルが副校長に借りているお金を稼ごうとする。
火の玉あり、謎のドネーションあり――こんな頼れる友達がいれば、人生なんとかなるでしょ?
「プロジェクターの代金を一円残らず払うか、クビだ!」
副校長の言葉が、ヒカルの頭の中で響いていた。彼は学校の外でジュースを飲んでいた。
「その飲み物、そんなに元気出るの?」
茜が隣に腰を下ろし、興味津々に尻尾を揺らす。
「冷たいと、もっとね」
ヒカルはかすかに微笑んだ。
「そうだ!」
キツネ娘の目が仮面の下で輝いた。
「お金を稼ぐために、動画を作ろうよ!」
次の日、ショッピングモールにて:
「みなさーん、こんにちは!」
茜がカメラに向かって手を振り、キャップの下で尻尾が自由に揺れていた。
「ま、待って、これ生配信なのか!?」
ヒカルがパニックになりながら言った。
「止めるボタンはどこだ……?」
「見て、ドネーションだよ!」
茜が画面を指差す。
「『かわいい子』、『素晴らしいコスプレ』……コスプレって何?」
「嫌ならやめた方がいいかも……」
「トリックを見せてあげる!」
彼女の手のひらに火の玉が現れた。
「う、うん……特殊効果ってやつだな!」
ヒカルが引きつった笑いを浮かべた。
月曜日、ヒカルは封筒を副校長の机に置いた。
「これが、お金です」
そう一言だけ言って、部屋を出た。
副校長は口をあんぐり開けながら、封筒の中の大量の札を数えた。
バシン。
姿を消した茜が、尻尾で彼の頭を叩いた。
「な、何だと……!?」
彼は頭をさすりながら、毛のある何かにぶたれた感触を疑った。
廊下に、誰にも見えない小さな笑い声が響いて消えていった。
今回は短い章でしたが、楽しんでもらえたら嬉しいです。
こんなふうに助けてくれる茜みたいな友達がいたらいいなって、ずっと思ってました。
ヒカルも、一人じゃないって感じられたからこそ、どんなに大変でも乗り越えられたのかもしれません。
ちなみに、私の手術はまだです。もうすぐかも?
それはさておき、こうして少しでも読んでくださった皆さん、本当にありがとうございます。
茜にも感謝ですが、何よりこの冒険を見守ってくれる読者の皆さんに、心から感謝を――!