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記憶喪失のわたしが契約悪魔と精霊を追う理由  作者: 黒月セリカ
第二部. 王女と剣士の誓い : 歪めし片目と契約悪魔の暴走
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第95話. 綻びの日常



――カミュロが、過去の記憶の欠片を思い出し、胸を鋭く締めつけるような痛みが走って呼吸がうまく整わず、キッチンの前でしゃがみ込んでしまってから、ほんの数分も経たない頃だった。


重く張り詰めた空気が、彼のいる廊下とキッチンの境をゆっくりと包み込んでいく中、その緊張を静かに揺らすように、背後から小さく、それでいて不思議なほど温度を帯びた声が落ちてきた。


「カミュロ! どうしたの、大丈夫?」


「っ......!」


驚きと戸惑いで呼吸が一瞬止まり、カミュロがゆっくりと顔を上げると、そこには何故か頭から大きなマントをすっぽりと被り、まるで影の中から飛び出してきたような姿のノエルが立っていた。


彼女は心配でたまらないという気持ちを隠すこともできず、身を屈めてカミュロの背中へそっと手を添えると、その痛みを少しでも鎮めようとするように、驚くほど優しい仕草で背を撫で続けていた。


「......気にするな......っ、平気だ......」


しかし、カミュロは首筋に滲んだ冷や汗を袖で拭いながら、手をキッチンの扉につき、頼りない足取りでゆっくりと立ち上がり、ノエルの心配に触れすぎないようにするかのように、ほんの僅かに身体を引いて距離を取った。


「あーもう、またそうやって無理する! 本当は大丈夫じゃないくせに、“平気”って言う癖、ほんとやめなよ。ちょい待ち! お水取ってくるから、動かないで!」


頬をぷくりと膨らませながらも、叱るというより“心配で仕方がないんだよ”という気持ちが前面に滲む声音で言い切ると、ノエルはカミュロの横をちょこんとすり抜け、裾を揺らしながらキッチンの奥へと駆けていった。


「......」


その背中を見送りながら、カミュロはふっと力が抜けるように扉へ背中を預け、ノエルの真っ直ぐな親身さが胸の奥に染み込むように、僅かに肩を落として息を吐いた。


「クゥー」 「っ、犬......」


足元から小さな鳴き声が聞こえ、カミュロがそっと視線を落とすと、そこには耳を少し横に倒し、寄り添うような穏やかな眼差しでじっと彼を見上げている犬がいた。


「たしか、あんた。あいつ(セシル)と一緒に中央から来たんだったな......」


その言葉を零すと同時に、カミュロは犬の視線に合わせるようにゆっくりと膝を折り、床に両膝をついて静かにしゃがみ込んだ。思わず口元には微かな苦笑とも安堵ともつかない表情が浮かび、記憶の断片を呼び起こした、あの小鳥の存在が脳裏を掠めた。


「ふっ......突然現れて、当たり前のように居座る。 まさか、あんたも俺に記憶の欠片でも見せてくれるつもりか?」


そして、控えめに揺れている犬の尻尾にふと気づいたカミュロは、細心の注意を払うかのように、静かに手を差し出し、鼻先で匂いを確かめられるようゆっくりと距離を詰めていった。


犬がその手を受け入れた瞬間、カミュロは迷いなくその頭へぽんと手のひらを置き、まるで荒れた心をなだめるように、ゆっくりと撫で続けた。


「あの鳥といい......随分と人慣れしているんだな」


犬は逃げる気配も怯える素振りも一切見せず、ただそこにいることを選ぶように自然体で身を委ねており、その落ち着いた瞳がカミュロに向けられるだけで、張り詰めていた心が、少しずつほどけていくようだった。


「持ってきたよ〜、カミュロ~!!」


しかし、その静けさをやんわりと揺らすように、キッチンの奥からぱたぱたと軽やかな足音が近づき、すぐにノエルの声が飛び込んできた。


彼女が抱えているグラスには、表面張力が限界を迎えそうなほど水が並々と注がれており、それを両手で慎重に支えながらも、不器用なほど真っ直ぐな優しさを込めてこちらへ走ってくる姿は、まさにノエルらしい一生懸命さが滲み出ていた。


「はい、お水っ! いつも頑張ってるカミュロの為に並々に汲んだから、いっぱい飲んで落ち着いてね!」


「......悪い。助かった」


差し出されたグラスを受け取るために、カミュロはノエルの気遣いそのものを受け止めるような静かな礼を込め、軽く頭を下げながらゆっくりと立ち上がった。


指先はまだ微かに震えていたが、それでも片手でそっとグラスを支え、零さぬよう慎重に持ち上げると、まるでその冷たい水に縋るしかないとでも言うように口元へと運んだ。


「おおーっ! いい飲みっぷりじゃん、さすがカミュロ!」


喉が長く続いた渇きに耐えていたかのように、一息に流し込む勢いで水を飲み下し、口の端から零れた滴にも構う余裕はなく、最後の一滴まで喉へ落とし込んだ後、ようやく小さく息を吐きながら手の甲を口元へ運び、乱暴と言って差し支えないほどの仕草で残った水気を拭い去った。


「それで......ノエル様、それは――」


そして、少し呼吸を整えながらノエルへ視線を向けたカミュロの目は、自然と彼女の身を包む大きなマントへと吸い寄せられていった。


「そのマント......城外に出るつもりだったのか?」


「ふぇっ!? い、いやっ、ほらぁ!単純に気分で〜......みたいな。 カミュロだって上着を着たり、肩に掛けたりとか、そういうのあるでしょ?!」


明らかに動揺しながら、おどけた調子で誤魔化そうとするノエルだったが、その声は普段の軽さとは違う僅かな震えを含み、視線も定まらず所在なげに揺れていた。


そこには隠し事をしている気配がはっきりと感じられたが、ノエルは問い詰められる前に、その隙間を埋めるように急いで言葉を重ねた。


「そ、そんなことより! もう大丈夫なの? ほらぁ、ここに来る前のこと、思い出すと苦しくなるって聞いてたから......だから、その、心配したの!」


「......」


その優しい言葉を受けたカミュロだったが、先程のように無理に「平気だ」と取り繕うことも、軽い冗談で話題を逸らすこともせず、ただ喉の奥に言葉が引っかかって出てこないような、重たい沈黙をまとっていた。


「ノエル様......今の言葉からひとつ確かめたい事がある。俺の家系と契約悪魔のこと――それを、俺がノエル様に直接話したことはあったか?」


そう告げたカミュロの声は、揺らぎはあれど曖昧さを許さない芯を持っており、その問いを受けたノエルは一度ぱちりと瞬きをし、考えを探るように視線を揺らしながら、自然な調子で答え始めた。


「んー、いや。カミュロって自分のことあんまり話さないでしょ。だから誰かから聞いたんだと思うんだけど――あれ......誰からだっけ。 とにかく、カミュロが、大変な思いをしてたって......そういう話だけ、ふわっと聞いた......気が、する......」


しかしその言葉は、後半に差しかかるにつれて徐々に自信を失っていき、語尾は曖昧にほつれ、言葉の繋ぎ目がゆっくりと解けていくように間が空いていった。


カミュロはその揺れをただ黙って聞き終えると、胸の奥に小さな確信が形を成すような気配を覚え、深く息を吐きながら、ゆっくりと言葉を落とした。


「......記憶がないはずなのに、“この生活が普通”だと疑いもしなかった。その時点で、もう何かがおかしかった。そんな些細なことさえ、互いに気づけなかったとは」


その声音にはノエルを責めるような棘は一切なく、ただ事実を確かめようとする静けさが宿っていた。


彼はその静けさを乱さないように一度目を伏せ、次に迷いを振り払うように顔を上げてノエルを正面から見据えた。


「ノエル様。あと数点、確認したいことがある。聞いてくれないか」


「......っ」


ノエルもその変化を敏感に感じ取ったのか、ほんの僅かに息を整えるように目を上げ、カミュロをじっと見つめ返すその仕草は、彼が次に話すものを真正面から受け止めようとする慎重さと覚悟が滲んでいた。


カミュロは短く息を吸い、次の言葉をどこに置くべきか慎重に測るように一拍置いてから、静かに口を開き始めた。


セシルの身に備わっていた、他者の外傷をそのまま自分の身体に引き受けてしまうという謎めいた力のこと。そして、そして、その身に刻まれていた鱗のような花びら模様のこと。


さらには、カミュロ自身が本来なら覚えているはずなのに、形が崩れ、噛み合わなくなっている記憶の断片と、それに付随して胸に刺さるように残る説明のつかない違和感のことまで、ひとつひとつ確かめるようにしていた。



✿✿✿



――その後、二人は互いの表情や空気の揺らぎを読み合いながら、より落ち着いて話せるようキッチンにあるいつものテーブルへと場所を移し、それぞれがゆっくりと椅子に腰を下ろしていた。


先程までの緊張が完全に消えたわけではなく、まだ肌に薄く残るような気配が漂っていたが、それでも、互いに向き合う姿勢は以前よりずっと穏やかな呼吸がその場に流れていた。


カミュロはそんな空気を一度胸いっぱいに吸い込み、マントを羽織ったままのノエルと、その横の椅子にちょこんと座ってこちらを見つめている犬へ、順に視線を巡らせた。


そして、話の結びを慎重に選ぶようにしながら、低く落ち着いた声で締めくくった。


「......以上だ。俺から聞きたいことは膨大にあるが、まずはノエル様の率直な意見が欲しい」


その言葉を受け、ノエルは思案するように一度視線を伏せたが、その迷いは長く続かなかった。


やがてぱっと小さく顔を上げ、「任せときなって」とでも言うように軽く指を一本ぴんと立てて見せると、自分なりに整理した考えを丁寧な調子で言葉へ乗せ始めた。


「うん、色々教えてくれてありがとう。そだね......じゃあ、あたしがちゃんと分かるところから話すね」


背筋を整え、深呼吸をしてから、ノエルは落ち着いた声音で続けた。


「まず、まるいち。あたしは薬が置いてある棚の中身には触ってないよ。あそこ、倒したら混ざって危ないものもあるし、勝手にいじらない方がいいって思ってるから、基本は近づかないようにしてる。

 そして、まるに。あの鳥ちゃんは、あたしたちに危険を与える存在じゃない......と、少なくともあたしは思ってる。だって、セシルもカミュロも、あたしも、それぞれ鳥ちゃんと二人っきりになる時間があったけど、何も危ない事なんて起きなかったでしょ。それに、このドギー(Doggy)にも同じことが言えると思うよ」


そう言ってひと息ついたノエルは、言葉の根拠を確かめるように「ドギー」と呼んだ犬へそっと手を伸ばし、無意識のうちに手のひらでその頭を撫でていた。


犬はその撫でる手の温もりをよく知っているかのように耳を少し倒し、安心しきった仕草で身を預けており、その光景を見たカミュロは、思わず小さく息を吐いた。


「............そうか。客観的な意見、参考になった」


薬棚には、誰かが最近触れたような微かな動きの痕跡が残っていた。それに加え、小鳥を媒介にして“本来覚えているはずのない記憶”を見せられたこと──まるで自分が体験してきた映像をそのまま再生されたかのような声の響き。


そしてそれらが、少しずつしかし確実に胸の奥へ積もり重なり、解けない靄のような違和感として根を張り始めている。


それでも、今の段階ではそれが何なのか明確な形として立ち上がってくることはなく、カミュロはそのもやのような違和感をいったん手放そうとするかのように、そっと椅子から立ち上がった。


「え、ちょいちょい!」


その僅かな動きを、まるで会話がこれで終わってしまう合図だと敏感に察したノエルは、ぱっと顔を上げ、無意識に椅子から前のめりになるようにして慌てて声を張った。


「待った待った! まだ話、途中でしょ! なんでそんな、ちゃっちゃっと解散モード入ってるのっ!」


カミュロがこのまま立ち去ってしまうのだと気配で感じ取ったのか、犬も同じように「ワフ」と短く鳴き、椅子から跳ねるように降りて小さな爪音を軽快に響かせながら彼の足元へ駆け寄った。


そのまま離れまいとするようにくるくると円を描き、不安を隠せない動きで落ち着きなく回り続けていた。


「......話を切り上げるつもりはなかったんだが」


あまりにも必死な様子に一瞬戸惑いが胸を掠めたものの、カミュロは小さく息を吐きながら犬の背をそっと撫で、まずは落ち着かせるような仕草でゆっくりと座らせた。


そして、先程まで自分が腰掛けていた椅子を手で示し、「ほら」とでも言うようにその場所に座らせるように指してから、再びノエルへ視線を戻した。


「それで......何か気になる点でもあったか」


「ぁー、そうだね......えと、じゃあ。セシルの話は......一旦置いといて、ですね......」


慌てて引き止めた勢いはどこへやら、ノエルは急に声の調子を落とし、指先で前髪をそっと摘むように触れながら、か細く後ろめたい響きを含んだ声で口を開いた。


「そのね、記憶のことだけど。結論から言うと、あたしも覚えてないの。それより――どうして“覚えてないまま”普通に過ごせてたのか、そのほうが今は怖いし、不思議で......」


その声には、軽い冗談の影も強がりもなく、心の奥底でひっそりとうずくまっていた不安を、ようやく言葉にして掬い上げたような、静かでかすかな震えが宿っていた。


しかしカミュロは、ノエルの言葉の裏にある説明できない矛盾をひっかけるように、腕を軽く組みながら、片手の指でノエルを指し示すような仕草をして問い返した。


「記憶がないとはっきり言ったが......なら、俺に関しての悪口の話はどこから来た。 まるで、記憶にあるような口ぶりだったが?」


「ッ......た、たしかに......あたし、カミュロに対して、陰口をたたいている人が居たって言っちゃったかも......」


それは今朝の二人きりの口論の最中、勢い任せにノエルが放った言葉に含まれていたものだった。


確かにそのとき、身近に誰か他の人物の存在を示すような言い方をしていたのだが、いざ思い返してみると、ノエル自身もどうしてそんな確信めいた言い方ができたのか、その根拠がまるで掴めていない様子だった。


「......カミュロは、すっぽり記憶がないって言ってた、よね? あたしは......なんて言えば良いんだろう。はっきりした記憶はないの。でも、誰かと話した“感じだけ”が残ってるの。内容は思い出せないのに、雰囲気だけ覚えてるっていうか......」


ノエルはそう呟き、頬をむにむにと押しながら難しい問題を前にした子どものように視線を落としていた。


だが、その間に、静かに立ち上がったカミュロは、ついさっきまで彼女の悩む様子を見つめていたはずなのに、いつの間にか思考を切り替えたかのようにシンク下のキャビネットへ手を伸ばしており、そこから大きめのフライパンを取り出し始めていた。


その動作は、行き場のない思考の渦から一歩離れ、現実へ戻ろうとする人間の、どこか習慣的でありながら逃避にも似た、静かな強がりのようにも見えた。


「あ、あのさ......今の、ただ気を紛らわせてるだけに見えたから......その、正直に言ってほしいんだけど。カミュロは、これからどうしたいの?」


カミュロの、あまりにも自然な切り替えに見える動作に釣られたのか、あるいは置き去りにされたような気持ちになったのか、ノエルはテーブルへ指先を伸ばすようにして焦げた跡をゆっくりなぞりながら、ぽつりと落ちるしずくのように静かにその言葉を口にした。


その言葉を背中越しに受け取ったカミュロは、僅かに肩を揺らすように反応し、フライパンを置きかけた状態のまま振り返ると、ちらりとノエルへ視線を投げかけた。


「っ、俺は.........」


一瞬だけ、彼の瞳には驚きと迷いが入り混じった揺らぎの色が浮かび、ほんの刹那、何かに戸惑う子どものような影が差したが、それはすぐにゆっくりと沈んでいき、表情からは余計な色が抜け落ちていった。


まるで自身の感情という波を深く押し込んで底へ沈め、代わりに冷徹な確信だけを残したかのように、彼は重みを帯びた声をゆっくりと落とした。


「......いや。さっき、ノエル様は......あいつの話を逸らしたな。 けど、ノエル様の目にあるのと似ている花びら模様を見てしまった以上、このまま無視はできないと思っている。まずは、あいつの口から聞くべきだ」


その声音には、冷たい覚悟にも似た硬質な響きと、違和感に気づいてしまったがゆえにもう後戻りできない地点へと足を踏み込んでしまった――そんな人間だけが持つ静かな諦念が、濁りなく混ざり合っていた。


「......そっかぁ......やっぱり、そこが良いよね」


「......」


ノエルの歯切りの悪い様子に気づいたカミュロは、その空気を軽く振り払うようにして、近くの棚から取り出していた食材と、それに紛れて一緒に持ってきていた皿を手にしながら、ノエルの元に立ち止まった。


「黙ってても物事は流れ込んでこない。気になるなら尋ねる、構わないならそれでいい。その場のセッティングの後押しはしてやる。あとは、自分の中と相談してくれ」


語気こそきっぱりとしていて、どこか背中を押すような強さを伴っていたものの、カミュロの動きは言葉とは裏腹に驚くほど柔らかく、そのままラップがかかったマドレーヌをノエルの前へそっと置いた。


「ぅ......仲良しごはん作戦ってこと? たしかに、どこかで“料理は人を笑顔にして優しくしてくれる”って聞いたけど............え、あっ、そうじゃん!!」


テーブルへ体を預けるようにしながら、ノエルは軽く転がすように指先でマドレーヌをつついていたが、次の瞬間、何かが脳裏で繋がったようにぱっと目を見開くと、椅子のバネでも仕込まれたかのように勢いよく跳ね上がった。


「ちょい、カミュロ! 今日のセシル、朝のマドレーヌ一切れしか食べてないじゃん!! ただでさえ細いのに、このままだと本当に骨粉セシルになっちゃうよ!! 早く何か食べさせないとだから、カミュロは沢山作ってて、あたし、探してくる!!」


叫ぶようにまくし立てながら、ノエルは椅子を倒しそうな勢いで立ち上がり、その場でクルリと体を回して羽織っていたマントを器用に脱ぎ捨てると、勢いのまま扉へ向かって駆け出していった。


犬も彼女の慌てぶりに釣られたのか、「わふっ」と短く鳴いて椅子から飛び降り、ちょこちょことついていくように後を追い始めた。


「......あぁ、気を付けてくれ」


あまりに突然の騒がしさに、カミュロは一瞬だけ困惑にも似た表情を浮かべていたが、その小さな背中からは迷いよりも“今するべきことを見つけた”という確かな決意が感じられ、彼はそんなノエルの様子にほんの僅かに胸の力を抜かれたように、安堵の混じる眼差しでノエルの後ろ姿を静かに見送っていた。

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