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stage4 斉藤実帆

「・・・遅いなぁ兄さん」



実帆は家で新一の帰りを待っていた。


彼らの家は父親は実帆が小さい時に死んでしまっていて、


彼らの母はそのこともあり、夜遅くまで仕事をしていることが多い。


今日も「遅くなる」と連絡があったので、


新一が帰ってきたら一緒にご飯を食べようと思い、待っているのである。



「また寄り道かなぁー・・・。でもそれにしても遅すぎるしなぁー・・・」



新一はよく放課後に寄り道をしているので帰りが遅いことは


別に不思議ではないのだが、今日はいつもより一段と遅いようだった。



「何かに巻き込まれたり・・・してないといいなぁ・・・」



すると実帆の携帯から着信音が鳴り響いた。


相手の登録名を見てみると『治安維持局』と記されていた。



「もしもし?」



実帆は先ほどののほほんとした空気とは打って変わって真剣な声で電話に出た。



『斉藤君、君の家の近くで能力者狩りが行われているとの情報が入ったんだが・・・


 今から向かってもらってかまわないかな?』



最近、世界中で多発している超能力者失踪事件。


このことを治安維持局は『能力者狩り』と呼ぶ。


これは魔術師たちによるものだということが最近になって判明した。


魔術師という存在を一般の人間は知らない。


普段は魔術師たちもひっそりと暮らしているか、


なんらかの超能力と見せかけて共存しているか、というように


明るいところにあえて出ようとはしていなかったのである。


なのに数年前から魔術師たちは『能力者狩り』を始めた。


何故、今になって始めたのか等、動機はいまいち不鮮明だが


そのままほおって行くわけにも行かないので


このように治安維持局が取締りを行っている。



「はい、わかりました。すぐに向かうので位置はメールでお伝えください」


『了解。一般人が近くにいるみたいだから、迅速にね』



実帆はすぐに電話を切り、メールが来るまでの間に着替えを済ませた。


地図には近所の公園が記されている。



「ここって確か・・・、家への近道って兄さんが・・・」



実帆はそこで最悪な可能性を想定した。


『一般人が近くにいるみたいだから・・・・』治安維持局の人間はそう言った。


もしも、その一般人が・・・新一だとしたら?


例えそうでなくても・・・今狙われているのが新一だとしたら?



実帆は戸締りもしないまま家から飛び出した。




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