stage2 助けるか、否か。
そこには一人の少女と、数名の青年がいた。
青年たちが少女を取り囲むような位置取りになっている。
明らかにただのいじめ等ではないようであった。
するとまたあの爆発音がした。
音に驚き思わず目を瞑ってしまった新一だったが
瞑る直前に青年のうちの一人の身体が、ある一点を中心として収縮されるのが見えた。
「・・・?」
新一は何かの見間違いだろう、そう考えていた。
先ほど青年がいた場所を見てもその場にちゃんと青年はいた。
そう、ちゃんといるのである。・・・ただし、四人。
「は・・・?」
新一は状況が良くつかめなかった。
分かるのは恐らく能力者同士が争っているということ。
収縮されていったのは少女の能力で、四人に増えたのは青年の能力であろう。
助けるべきか、逃げるべきか。
新一の中では答えは出ているのに動くことが出来ない。
第一、新一は無能力者でこの場を押さえることは不可能に等しい。
むしろやられてしまうのが落ちである。
それに本能が逃げなければいけないといっている。
行っちゃダメだ、逃げろ、と。
その時、青年から一つの炎弾が放たれた。・・・新一に向けて。
新一は気づくことは出来たものの足がすくんだままで動くことが出来ない。
「くそっ・・・!」
新一はとっさに身をかがめ、顔を腕で守るような形にした。
でもいつまでたっても炎弾は自分のもとには来ない。
新一は不思議に思いながらも恐る恐る目を開けた。
だが、炎弾はどこにも見当たらなかった。
代わりに目の前には・・・新一の妹が立っていた。
「・・・人の兄さんに何しようとしてくれてんですか、このエセ魔術師!!」






