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おとのみち  作者: Yu
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4話 意外と迷うアレ

MVを作ってもらっている間、俺となのはさんで活動名義について考えていた。

「とりあえずボカロPとして今回デビューするから、安牌なのは○○Pって言うような、名義の最後にPを付けるもの。別にそういうのに捉われずに面白い名前を使ってる人とか、耳馴染みがいいからみたいな理由の人もいるみたいよ」

「そうなんですね」

「私みたいにVと活動名義一緒の人もいるけど…まあ、この話はもう少し先になってからね。で、話は変わるけど、どういうような名前の付け方にしたい?」

「物自体は思い浮かんでないですけど、自分の本名を元にしたいなとは思ってます」

「ああ〜鉄板だね。えっと、君の本名って山鹿理音(やまがりおん)で合ってるよね?」

「あ、はい。それで問題ないですよ」

「じゃあここからどう広げていくかってのは………」

************************

「全然思い浮かばん」

「そうですよね。俺も考えていたんですけど、さっぱりですね」

俺の名前だと、圧倒的に決めづらかった。そこそこ特徴的な名前だが、特段尖った名前でもない。どっちつかず気味な名前で、まさか丸一日かけてここまで苦労するとは思いもしなかった。

「まあ、最低でもあと2日ありますので、気長にとはいきませんが、落ち着いていきましょうよ」

ひとまずお互いの気を落ち着かせるために、まだ時間がある事を口に出して確認した。

「そ、そうね。ひとまず明日、また話し合いましょう。可能なら、それまでの間にも考えをまとめていきましょう」

そうして今日の名義決定会議はお開きになった。

************************

(ヤマP…は安直すぎるし、ガリオン…はなんか変か)

夜、寝ている最中にも自分の名義のことが頭を離れずに、ずっと考えっぱなしだった。睡眠時間が短いと次の日の作業に影響する。社畜時代に何度もその経験はあったが、また同じような事をするなんて思ってもみなかった。

(寝ないとダメだけど、もう少し考えよう)

一方その頃…

************************

(名前…名前…名前…)

寝ている間も、私は頭の中で彼の名義を考えていた。彼の新しい門出だ。どうせなら変な名前になるよりカッコいい、彼のお気に入りになるような名前がいい。

(リオ?マガリP?なんかしっくりこないわね)

私はまだまだ考える。寝るための時間を切り詰めているとは知る由もなく。

************************

「おはようございます…zzz」

「おはよう…zzz」

案の定というべきか、翌日の朝は2人揃って眠たそうだった。お互い深夜1時ごろまで考えてたので、まあ仕方ないっちゃ仕方ないが。

「DTMアーティストと言えど、体が資本なのはどの仕事でも変わらないからね」

「自分と同じことやってる人に説得力あるかと聞かれると微妙ですけどね」

「うぐぐ…」

ちなみに、この日も名義は決まらなかった。

俺の名前つけるセンスに高いものを求めないでくれ。

色んなところでセンスが皆無なんだ、俺は。

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