16話 なぜその路線を歩ませようと?
2曲目を投稿して、出だしも順調に進んでそこから早2週間。3曲目の制作にも取り組んでいき曲の部分は大詰めまできた。
あの後ぷろっとさんと話している中で、たくさんの人からイラストの依頼が来たということを聞いた。だが、なんと全て断って、その全てに『まだあちらからの了解が得られてはいないですが、Kanoneさんとお仕事を続けていきたい』と回答していたようだ。俺としてもとてもありがたく、そのままぷろっとさんとの専属契約が決まった。これでイラストレーター探しに奔走しなくて済むし、MV制作は自分でできるからお金のかかり方も比較的楽になる。向こうも名前が売れてWin-Winだ。
そんないつもの日常を過ごしている中、突然。本当に突然に
「理音くーん、ちょっといい?」
となのはさんから声がかかった。
「はーい。何ですかー?」
最初の方は敬語で話していたが、今はもうそんなことはせずにタメ口で話している。そっちの方が楽だしね。
「2曲目の伸びもいいよね〜。1曲目も考察班動き出してまた熱が上がってきてる感じするし」
「そうですね。1曲目は思わぬ誤算でしたが、伸びてくれることにはありがたいんで」
2曲目を投稿してから、1曲目とどんな繋がりがあるのかとか、そんな事を考察する『考察班』が動き出して、SNS等で広まって再生が伸びていってる。自分ではそこは意識していなかったが、改めて聞くとなんとなく雰囲気が似ているところがあるように感じたので、いっそのことこれからの曲をシリーズ系列みたいに作っていくのもアリだななんて思い始めている。
「そうだよね〜。理音くん今流れがきてていいもんね〜。で、本題に移るけど、Vとして受肉しない?」
は?
Vとして受肉?そもそも受肉ってなんだ?
「まあ突発的な話題だから困惑するのも無理ないよね〜。ひとまず順を追って説明すると、Vってのは知っての通りVTuberのことで、受肉ってのは、今までV以外で活動していた人がVTuberとしてのアバター…業界では『ガワ』って言われてるけど…を新しく使って活動するってこと」
なるほど要領はわかった。しかし、なぜ急に、しかもまだそこまで日も経っていないのに。
「なんでそんな急に?ってか、なんでそんなことを?」
「ん〜、単純に面白そうだったのと、私みたいにVしててアーティスト業もしてるとなると、忙しくはなるけど収入もあるし。あと理音くんならすぐ伸びるかな〜なんて」
そう朗らかに語るなのはさん。確かに面白そうだとは思う。
この活動を始めてからなのはさんみたいなVTuberについても知りたくなって、色々な人の動画や生配信、アーカイブや切り抜き動画などを見てきた。バラエティ性に富んだ人たちだし、トークスキルも高い、自分とはかけ離れた人達のようにも思えた。
「だからって、どうするんです?ガワ持ってませんし、その辺の動かすための予備知識なんて尚更ですし」
「そこは私に任せて。ガワとかモデリングはそれ専門のイラストレーターさんとかいて、その人とも私知り合いだから、その人に話しつけてあげる。そこから先…制作を進めるのは理音くんとイラストレーターさんだよ。人は繋げてあげるけど、これからは自分で交渉とかはしてね。MVのイラストレーターと専属契約するときみたいなイメージ!」
なるほど、ミランさんやぷろっとさんみたいなイラストレーターではなく、それ専門のイラストレーターもいるのか。
「あと、機材関係は全て私が教えるから。そこは業界トップで身近にいる先輩に頼りなよ」
ここはやっぱりなのはさんか。まあ、独学よりよっぽどいいだろうから、そこはお言葉に甘えよう。
ちなみに、この後調べたら普通のイラストレーターでもガワを描いている人はいるみたいだ。モデリングをする人に別で頼むか、自分でするかみたいな選択肢もあったようだ。しかも作業も簡単そうだったから、ガワをぷろっとさんに依頼しても良かったかもしれない。なのはさん、解せぬ。
そろそろ新作の小説も投稿できるぐらいまで書き上げられると思います
2作品(カクヨムさんにあげるのを含めたら3作品)合わせて週2投稿で頑張っていこうかな




