8話 スリッター開設
2曲目を作り始めて1週間。進捗はぼちぼちにいい感じだ。しかし一曲目に投稿した曲の再生数の伸びがイマイチになってきた。最初はアカリさん効果でたくさんの人が聴きにきてくれたが、今は一日に500再生されれば御の字ぐらいまで落ち込んできている。どうにか打開策を考えないとな…と思っている最中、ノックが聞こえた。
「理音くん、私から聞きたいことがあるんだけど、今時間大丈夫?」
なのはさんからそう聞かれ、一旦作業の手を止めて部屋に招き入れた。
「失礼しますっと。早速だけど質問。自分のスリッターアカウントとか作ってる?」
「あ、はい。プライベートなアカウントなら」
「Kanoneとしてのアカウントは?」
「あ〜…作ってないですね…」
正直そっちは考えてもいなかった。スリッターといえば自分の趣味のものを見るだけで、仕事のために使うなんて想像する由も無かった。
「えぇ〜!勿体無い!早く作ろうよ!」
いつもよりやけにグイグイくるなのはさん。そんなにスリッターは重要なのか?
「スリッターはね、情報の発信の場だったり情報を受信する場でもあるのは知ってるでしょ?そこを使って宣伝するのよ!自分の作っている曲の進捗だったり投稿予定日とか、やりようはたくさんあるんだから!」
「わ、わかりました…じゃあいますぐ作ります…」
勢いに押されて咄嗟に口に出したが、これはいい機会だ。これで知名度を伸ばせるのなら、やるに越したことはない。
「よし!手順は簡単だけど、念のため私もすぐそばで見ておくね」
そう言ってアカウント開設作業を始めた。
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ものの数分でアカウントを開設できた。
「これでオッケーだね!じゃあ、とりあえず何かスリートしてみようか」
そう言われ、とりあえず活動に関連するようなことを書き込んでみる。
『スリッター開設しました。ここで進捗報告とか投稿予告していくと思います』
先程の話で出てきた、自分の曲の進捗等の報告をしますという書き込みをした。
「これでいいですかね?」
「うーん、なんか味気なさすぎるけど、まあ最初だしこれでいいか!じょ、私のアカウントでフォローしておくね!作業中お邪魔しました〜」
そう言ってなのはさんは部屋を出て行った。その後すぐに夢野アカリからフォローが来た。
「仕事早いな。まあすぐ近くだからそりゃそうか」
ひとまずこちらからもフォローバックしておく。そして彼女の知り合いで、MVでお世話になったミランさんのアカウントもフォローした。
「ふう、まあ、今日時点パッと思い浮かぶのはこの辺の人達かな?あとはこれから先関わった人たちをフォローしていくか。それじゃ、作業に戻ろ」
ちなみにこの後、Kanoneのスリッターアカウントのフォロワー数は一瞬で3000人を超えたのだとか。
ちょっと忙しいのであとがきは無いっす
すみません
ここで進捗報告とかしたかったのですが…