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桜咲く国の姫君~神様の気まぐれで異世界に召された少女は王子と騎士見習いに溺愛される~  作者: 咲来青
第5章 神様 ~御神木の桜~

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第7話 ホントの桜、ホントの家族

「桜を――呼ぶ?……ここへ?」

「うん! 出来るんでしょ、神様なら?」


「……無理だ」

「えっ?」


 当然出来るだろうと思ってたのに、あっさり断られた。


「え……え、なんで? どーして無理なの?」

「オレの力だって、万能なワケじゃない。桜がオレの側にいる時なら、出来ないこともないけど……今はいない。だから無理だ」


「……なんだ、そっか。……無理、なのか……」



 そー言えば、私にも『こっちに来い』とか、『オレに触れろ』とかって、言ってたっけ……。



「じゃあ、姫様――じゃなくてっ、えっと、桜……さんも、無事にあっちの世界に戻れたんだね。ホントの、家族のところに……」



 ……ホントの、家族……。



 馬鹿だな、私。

 自分で言ったことに、自分で傷ついてる……。



 私だってずっと……ホントの家族だって、思ってたんだけどな。……お父さんも、お母さんも。


 晃人のことだって、ホントの幼なじみだって、思ってたのに……。



「桜は自分の家族のこと、忘れてたワケじゃなかったからな。おまえよりは、困ったことにはならないと思うけど……。まあ、心配があるとすれば、向こうのヤツらがどう思うか、だよな……」


「……え? 向こうのヤツらがどう思うか――って、どーゆーこと?」


「さっきも言っただろ! おまえ達は、見た目はそっくりでも、中身は全然違うって。長い間、おまえを桜だと思ってたヤツらから見たら、桜の人格が変わっちまった――としか思えないだろ?」



 あ。……そっか。

 私だって、性格の違いのせいで……別人だって、すぐにカイルさんや王子にバレちゃったんだもんね……。



「桜……大丈夫かな? うまくやって行けるかな、あっちで――」


 顔を曇らせてる神様を見て、内心ムッとした。



 ……なんなの? 私と桜さんとでの、この態度の違いは……?


 それに、ずっと交流があったっぽいし……。

 そのせいか、桜さんにはやたら好意的とゆーか……優しいとゆーか……。



「神様と桜さんって、ずいぶん仲がいいみたいだけど……しょっちゅう会ったりしてたの?」


 ストレートに疑問をぶつけると、神様はこっくりとうなずいた。


「ああ、会ってたぞ。しょっちゅうってほどじゃないけど、たまにな」

「な――っ!……会ってた? 会ってたの?……じゃあ、めちゃめちゃ仲良かったってこと!?」



 私なんて、姿見たのも、今日が初めてだってゆーのに!?



「……なんだよ、仲良くちゃ悪いのかよ? 桜には、いろいろと迷惑掛けちゃったしな。ちょっとは、責任感じてたし……。心配だったんだよ」



 ……って、ちょっとちょっと。

 私には迷惑掛けてない――とでも言いたいの?


 しかも『ちょっとは』って……。



「それに、おまえは全っ然、オレの側に来なかっただろ。ずーっと呼び掛けてたのに」



 ――え?

 呼び掛けてた……って?



 ……あっ!

 もしかして、夢の中でずーーーっと、呼ばれてるような気がしてたのって……。


 あの声は、神様だったの――!?



「……なんだ。そーゆーこと……だったんだ。呼ばれてる気がした、じゃなくて……ホントに、呼ばれてたのか……」

「そーだよ! お陰で、だいぶ長いこと、チャンスを待たなきゃいけなかったんだからな!? ぜーんぶ、おまえのせいだぞ!」


「な――っ!」



 ……何、その言い方!?

 勝手に違う世界に飛ばしといて……悪いのは全部、私だってゆーの!?



 ジョー……ッダン、じゃないわよッ!!



 …………んん?


 ……でも、待って?


 それとも、私……何かしたの?

 異世界に飛ばされても、仕方ないと思えるような――何かいけないことを、六歳の私はしちゃったの……かな?


 だから神様は、その時のことも含めて……私のこと、怒ってる……とか……?



「ね……ねえ、神様? 私……もしかして、神様に何かしたの? だから、そんなに怒ってるの?」

「怒ってるよ! さっきから言ってるだろ? オレが必死に呼び掛けてたのに、おまえは全然気付かなかったって!」


「――じゃなくて、六歳の頃! 小さい頃に、私は何かしちゃったのか――って訊ーてるの!」

「……は? 小さい頃?……いったい、何の話だ?」


「だっ、だって! 神様が、桜さんと私を入れ替えた理由が、そもそも全ッ然、わっかんないんだもん! だから、もしかしたら……六歳の私が神様を怒らせて、それで……その罰として、異世界に飛ばされちゃったのかな……って、思って……」


「……罰?……そもそもの……理由……?」


 神様は一瞬、きょとんとして……。

 それから、急にバツの悪そうな顔をして、私から目を逸らせた。


「……神様?」



 どーしたんだろ、神様?

 いきなり黙り込んじゃった……。

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