表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
桜咲く国の姫君~神様の気まぐれで異世界に召された少女は王子と騎士見習いに溺愛される~  作者: 咲来青
最終章 選択の未来へ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

144/146

第2話 神様との対話

「神様っ! ありがとう、また会ってくれて! この前、あんな形でお別れすることになっちゃったから、もう二度と会いたくない! とか思われてたら、どーしよーかと思ったよ!」


 開口一番(かいこういちばん)にお礼を言うと、神様はビックリしたように私を見た後、ぷいっと横を向いてしまった。


「べ、べつに……。二度と会わないなんて、オレは一言も言ってないだろ!」

「……うん。それはそうなんだけど……。だって、この前はすっごく怒ってたから……」


「お、怒ったワケじゃない! おまえと話すのに飽きたから、戻してやっただけだ!」

「え、そうなの?……なーんだ。よかったぁ~。怒ってたワケじゃなかったんだ?」


 ホッとして、笑みがこぼれる。

 神様は心なしか頬を染め、


「お……おぅ……。怒ってたワケじゃ、ない……」


 もごもごと、同じ言葉を繰り返した。


「そっ、それで? おまえは今日、何しに来たんだよ? 話がある――とかって、言ってたみたいだが」


 神様は、何故かそわそわした様子で、私の顔をちらちらと窺っている。

 妙な態度は気になったけど、あえて無視して、本題に入ることにした。


 だって、また神様の機嫌を損ねるようなこと言っちゃったら、話が最後まで終わらないうちに、


『もう帰れッ!!』


 ……ってことに、なっちゃうかもしれないし。



 とにかく、先手必勝よ!

 この勝負には、絶対負けられないんだから!



「そうなの! あのねっ。私がここに来たワケは……神様と関係したところで、私の未来が二つに分かれるって、お父様に聞いたからなの!」

「……おとう……さま?……って、ああ……。あいつのことか……」


「うん。お父様がね、私に関する未来の夢……予知夢ってものを見ちゃったんだって。それでね、その未来は二つあって、私がどちらかを選ぶことで、起こる出来事が違って来るんだって。その二つの選択肢が示されるところが、どうやら、神様と関係してるみたいで……。だからね。神様に会いに来れば、何かわかるかもしれないって思って」


「二つの、未来……?」


 眉間にしわを寄せて、神様がつぶやく。



 えぇ~……っと……。


 ……だ、ダイジョーブかな?

 神様も、ピンと来てない感じだけど……。



 私は不安を抱えつつ、神様の次の言葉を待った。


「……それで? オレと会えば、その……せんたくし、ってヤツが示されるって、あいつが言ったのか?」

「え?……あぁ、ううん。そこまでは……。確か、神様と再び会う時が、選択の時だ……なんてことは、言ってたけど」


「それって、オレと会う日に、選択することになる……ってだけの話じゃないのか? 直接、オレと関係あるワケじゃないんじゃ……?」

「えっ。……あ、でも。選択は、神様と関係したところに現れるらしい――とも言ってたよ?」


「だから、オレと関係したとこってだけで、オレがそのせんたくしってヤツを、直接示すワケじゃないんだろ?」

「……あ……うん。それは、そーかもしれない……けど……」


「だったら、オレ自身には、何の関係もないんじゃないか? オレが、責任感じなきゃいけないよーなことじゃ、ないよな?」

「う……うん。……そー……だね。……そー、かも……」


「あー、よかった! まーたオレのせいだとかって、文句言われたくないもんな。それ聞いて安心したー」



 ……なによ。

 この前のこと、『怒ったワケじゃない』とか言ってたけど、ちゃっかり根に持ってたんじゃない……。



 心でつぶやきながらも、なるべく、顔には出さないようにして、


「えー……っと。その話は、まあ……ちょこっと横に置いといて。神様の話したいことを、たっくさん話そーよ!」

「……オレの? 話したい……こと?」


「うん。せっかくまた、こーして会えたんだし。私の選択に、直接、神様が関係ないんだとしても……このまま『はい、そーですか』って向こうに戻ったんじゃ、あんまり素っ気ないじゃない? だから、神様の方で、何か話したいことがあるなら言って? 何でも聞くから」


「オレの……話したい、こと……」


 もう一度声に出し、神様は沈黙しながら、なにやら考え込んでいた。


 しばらくしてから、顔を上げると、


「話したいことってゆーかさ。実はオレ、おまえらに、お別れ言わなきゃいけないんだ」


 神様はすごく真剣な顔をして、予想外の言葉を発した。


「……え?……お別れ……?」


 口にした瞬間、どくんと心臓が跳ね上がった。

 『終焉(しゅうえん)の時が近付いている』ってゆー、お父様の言葉が、頭をよぎってしまったから……。



「お別れって……それ、どーゆー意味? 神様、どっか行っちゃうの?」



 神様は、自分に死期が近付いてるってこと、知ってるんだろうか?



 ヒヤヒヤしながら訊ねると、


「ああ、行く。行くって決めた。オレ……桜に会いに行く!」


 今度は、すごく清々(すがすが)しい顔をして、神様は、キッパリした口調で宣言した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ