王子様がやってきた
なんと五夜連続しますです(*´-`)
……ザワ、ザワ…。
……?!
……!!!!!!
・・・。
……ザワ、ザワ…。
……?!
……!!!!!!
・・・?
なんか……、うるさい、ような??
……、マンションの、外が……やけに騒がしい。
眠たい目を…擦りながら、ベッドの中で…寝がえりを、うつ。
……ザワ、ザワ…。
……?!
……!!!!!!
……やっぱり、うるさい。
うち、二階だからさ、エントランス?のあたりでさ、ざわざわしてるとさ、結構、筒抜けなんだよね。
ずいぶん涼しくなったし、チョコっと窓開けて寝てたから、外の音、よく聞こえるってのもあるけど。
なーんか外がうるさいなあって思いつつ、ベッドの中でぐうたらしてみたり。
六階のヤンキー家族の旦那が暴れた時よりは静かだし、二度寝、するかなあ……。
昨日は夜遅くまで異世界転生物のラノベ読んでたし、まだ寝足りないっていうかさあ。
でも、昨日は晩御飯がしょぼかったし、おなか空いてるなあ……。
ちょっと早いけど、思い切って起きて、パンバイキングでも行こうかなあ、そんなことを考えていたら。
ピンポーン!!
チャイムが鳴るもんだから、まあ、出るかって思ってさ、起きることに、したんだけど。
インターフォンに、出てみたら。
「あの!!!一階で、貴方を待ってる人がいて!!呼んでこいって、いわ、言われててえええ!!!!」
「……はい?」
お隣のお姉さんが、めちゃめちゃテンパった様子で騒ぐもんだからさあ、ドすっぴんの眉毛無し状態でドアを開けたら。
ヒ、ヒヒヒ―――――――――ン!!!
聞き慣れない、獣の声が???
「い、いいからちょっと来てください、大変なんです、この騒ぎを収めるのは、貴方しかいないんです!!!」
「は、はへ?!ちょ、ちょっと、ちょっと?!」
はだしで薄汚れたサンダル履いて、連れ出されて…、階段を、降りて行った私を、待っていたのは。
「薫!ようやく君に……、会えた!」
「ぶるっ!ブルルルルっ!」
白馬に跨がる、王子様、おうじさまあああああああああ~?!?!?!
ちょ、待て、誰、これ、何、これ、はい?!
呆然とする私のもとに、お巡りさんがやってきた。
「あなた、榎本薫さん?あのねえ、この人ね、あなたを探してここまで来たんだって!!ちょっと、話聞かせてもらってもいいですかね!!」
マンションのエントランス前には、やじ馬が十人ほど。
マンションのホールにも、五人くらいいる。
……ちょっと待った、駐車場の向こうの道路に、続々と人が集まってきている。
「あの、私こんな人知りません!!!困ります!!!」
「こちらとしても困ってるんですよ!ご協力願えませんかね!!!」
ぅう~!!うー!!
なんかパトカーが二台やってきて…、エントランス前の臨時駐車場に横付けした……。
「はい!!下がってくださーい!!!」
「ここ道開けてくださいね!!」
「一応バリケードはって!!」
「えー、こちら第三部隊敷島、現場到着しました、どうぞ!」
えらいことになってきたんですけど?!
「さあ、薫!こっちにおいで!待たせたね!!さ、ブリューン号に乗せてあげる、手を!」
「はあ?!私、アンタなんか待ってませんけど?!乗る?!お断りします!!!」
「あー、まず話をね?」
「スミマセーン、書読新聞ですけど、取材させてください!」
「どうも!海テレビですけど、撮影のお願いを!」
「豪快ラジオです、お話一緒に聞かせてもらえませんかね!!!」
ちょ、何、このカオス!!!!!!
せ、せめて眉毛くらい描かせてよおおおおおおお!!!!