表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/6

第1話 予告状

   

「るいと先生!」

 事務所の所長室に駆け込んできたのは、探偵助手の森杉もりすぎ蘭華らんかでした。丸眼鏡とポニーテールが特徴の、若い女性です。

「どうした、森杉くん。そんなに大声を出して。いつも言っているだろう、探偵助手たるもの、常に冷静でいなさい、と」

 どっしりと構えて余裕の笑みを浮かべるのは、数々の難事件を解決してきた名探偵、赤羽根あかばね瑠衣斗るいとです。

「でも先生、これ……」

 中身が透けて見えるような薄紙の封筒を、蘭華助手から受け取ります。その途端、彼の表情が険しくなりました。開封して中身を確認すると……。

「またか! フラワー・シーフめ!」

 赤羽根探偵は、忌々しそうに吐き捨てるのでした。



 フラワー・シーフ。

 最近、世間を騒がせている大怪盗です。正体は女性らしいと噂されていますが、変装の名人であり、誰も素顔を知りません。

 直訳すると『花泥棒』ですが、実態は全く違います。狙うのは美しい宝石ばかり、盗んだ後には代わりに花を一輪残していく、というのが手口でした。

 そしてもう一つ、赤羽根探偵事務所と警察に予告状を送りつけるのも恒例行事。今回の手紙には、署名がわりの薔薇マークと共に、次のように書かれていたのです。


『今週末の日曜夜

 稀代の奇術師ヒルカワ氏の邸宅へ伺います

 赤い瞳の涙を頂戴しに』

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ