表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

何かの視線(ショートストーリー)

作者: 秋春 冬夏

初投稿です。お手柔らかにお願いします。

「ただいま~。って住んでるの自分ひとりだけだった」

俺は家に帰ってきて一息つくところだ。

そのまま椅子に座り、とりあえずスマホやゲームをしてだらだらしていたところで、何か、誰かから見られている視線に気が付いた。

「ん?なんだ?誰か見ている?」

俺は一人暮らしで別に誰かと住んでいるわけではない。それに出かけるときに家に鍵をかけていたし、入るときも鍵はかけてあった。

そうすると何だ。外から誰か見ている?まさか。ここは二階だぞ?もしかして誰かが望遠鏡をのぞいてみているとかなのだろうか。

だが、その考えは取り止めることにした。窓全てにはカーテンで閉め切っているし、万が一のために窓に鍵をかけて外出しているようにしているからだ。

 がさっ

!? 後ろの方で何か聞こえたような気がした。驚いて後ろを振り返ってみると壁に張り付いている蜘蛛。

何だ、びっくりした。気のせいだったか。

それにしても誰なんだろう。俺の部屋は観る人によっては一人一人違う構造になっているとはいえ、外への防犯対策はちゃんとしている。

「もしかして!」

俺はクローゼットを見つめる。まさか、ここに誰かが潜んでいるのか。恐る恐る開いてみると、その下には何かゲームのキャラクターの人形が転がっていた。

「なんだ。お前だったのか」

昔ゲームセンターでまぐれで取れた人形だった。俺は胸をなでおろし、人形をベットの上に置いた。

でもなぜだろう。まだ、人形がいない方向からも何かの視線を感じるのだ。

それも、一つだけではないのだ。いくつもの誰かの視線にさらされている気がする。これは幻覚とかストレスではない。この部屋に入る前までは何も感じなかったのだから。

汗がぶわっと体全体に吹き出し、俺はたまらず怖くなり外に逃げ出した。

「はあっ、はあっ、はあっ」

息を切らしながら全力で走る。周りの人たちは眉をひそめて見てくるがそんなの気にしてられない。俺は無我夢中でしばらく走り続けた。だが、

消えない。消えないっ!あの謎の視線が。何なんだ。これは。俺に何か恨みでもあるのか?何が目的だ。

まるで、本を読んでいるかのようなこの視線は?!

「・・・ん?本を読んでいるかのような視線・・・」

何かが引っ掛かった。今までの状況を思い返してみる。

家に入ってから視線。観る人によって部屋の構造が変わる俺の部屋。そして、本を読んでいるかのような視線・・・。




「正体は、この小説を読んでいる君たちか」





もしこの作品が『面白かった』と思ってくださった方は、一番下の【☆☆☆☆☆】をタップもしくはクリックして応援頂けると嬉しいです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ