表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
龍之王の息子  作者: 白ノ爆撃
零章「王都の生活」
1/6

その1「新たな王の誕生?」

 灼熱の業火に焼かれながら、一つの生命は消え去った。この気持ちはなんだろう。感じたことのない気持ち。僕は本当の父ではない、この男の死の報告を受け、今までは感じなかった、そんな気持ちがこみ上げた。そう。失って初めて…


 数日が経ったようだ。だが何もする気になれない。何もしたくない。自分の部屋にこもっていたい。


「皇子どの!ドラゴレオ皇子!そう気を落とされるな!我々がついておりますぞ!」

 

 今でも僕の部下が扉の前で呼びかけてくれている。


 そうだったな。この世界は人間が暮らしている『地球』とは大きく異なる世界なんだ。

 僕は幼い頃、本当の両親を亡くした。そして心を閉ざした。親戚付き合いも悪かったせいか、誰にも預かって貰えず施設に送られ『愛』を知らずに育った。


 いつからかな、義理の父であり、龍之王である「バサク・ド・ラグン」と出会い、この世界に連れられた。彼は僕を本当の息子のように育てて、「ドラゴレオ」という名前までくれたのだ。


 この気持ちは、亡くして初めて気付いた気持ちは…愛なのかもしれない。今までそっけない態度であったことが悔しい、が。今こそ恩を返すときなんじゃあないか? 父が守り、統治していたこの国だが、今、上に立つ存在がいない。この国を…この国をッ! 僕が治めるんだ。王としてッ! 父の作ったこの国を守ろう。


 そうして僕は扉を開けた。閉ざされた扉。その暗い内側に光が差し込んだ。


「皇子どの!心配しましたぞ!」

 家臣の一人が心配そうに見つめている。


「すまない。心配をかけたな。もう大丈夫だ。」

 堂々とした声で、声高らかにそう言った。


「皇子どの。これからどうするおつもりで? ラグン国王が亡くなられたことで国は混乱しています。」

 彼らも大変だったのであろう。見てわかるほど疲れているようだ、目にクマができている。


「ああ。わかっている。僕が王になるよ。バサク・ド・ドラゴレオの誕生だ!」

 色々僕も不安なことはある。けど、この瞬間に、この国に新たな王が誕生したのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ