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変わらない現実
「なぁ、流石に重いんだが」
「買いすぎちゃったね」
夕飯の材料の他にも色々と買ったせいで時間がかかった。
「早く帰ろうぜ…」
「そうだね、そうしようか」
デパートを出ると16時なのか空は赤く色づいていた。
「急がないと暗くなっちゃうね」
「そうだな…」
事故があったことしかわからないが。今日、何かが起こりそうな気がして怖い。
「…この世界は、多分大丈夫なはずだ…」
「ん?どうしたの?」
「…いや、何でもないよ」
家までつけば、大丈夫だと思っていた。だが、現実は違ったようだ。
「__ハル君、危ないっ!!」
あぁ、なにも変わらないのか。
「__楓ぇぇえええ!!」
またか。またなのか。
「……ハル君が…無事で…よかった…」
結局無かったことになったとしても。誰かがここで轢かれるのは変わらないようだ。
「……起きろよ楓!」
俺が轢かれそうになって、楓が庇ってまた轢かれた。この世の神はどうやら使えないようだ。
『また会えたね。君はまた望むかい?』
__そんなもの、とっくに決まってる。
「楓を助けるまで。何度でも望んでやる」
2度目の世界が暗く歪んでいった__