やり直しの人生
秋だが14時なのか空はかなり明るい。
「なぁ、ホントに付き合わないといけないのか?」
「ダメ。帰ったりしたら許さないよ?」
どうやっても俺を開放する気は無いらしい
「はぁ…なら、早く行こう」
「そうだね、急がなきゃ」
俺達の通う学校はこの街の中心辺りにあり色々な店も並んでるからあちこちに学生が居る。
「んで、どこに行くんだ?」
「とりあえず…夕飯の材料かな」
「…俺が一緒に来る意味あるのか?」
「まぁまぁ、気にしない気にしない」
そう言いながらデパートの中に入り、食品コーナーに行く楓。
「今日、何食べたい?」
「…は?」
唐突に変なことを聞かれて首をかしげていると楓はからかうように笑っていた
「だから、今日は何が食べたいかって。ハル君が食べたいの作るからさ」
「いや、あの…え?」
何か知らないうちに話が進んでいる気がする
「なんで、俺の飯を作る前提なんだ?」
「何を今更。今日は親がいないーってボヤいてたのハル君だよ?」
いまいち記憶にないが、多分この世界ではそんなことを言っているのだろう。
「わかったよ…楓の作りたいやつを作ってくれ」
そう言うと楓は楽しそうに微笑んでいた。
__帰りにあんな事が起きなければ。もっと楽しみだったのかもしれない__