表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憂憂時雨に鶴千羽  作者: 飴膤*vague
雨宿り
5/5

5

「じゃあ千鶴、身体も冷えるだろうから中へ入ってよ。少しなら持て成し出来るよ」


琥珀は笑いながらそう言った。

しかし先程も見たが、店の奥にも家が繋がっている様には見えないし、他にも部屋があるという訳でもなさそうだ。

琥珀の言う中、とは何処なのだろう。


「悪いから気を遣わなくて良いわよ。雨宿りさせてもらっている身なんだし」


私は気になる気持ちを抑えながら遠慮した。

すると琥珀がまた笑いながら、私の濡れた髪を手ですいた。


突然でビクッとしたが、琥珀は直ぐに手を離して私の手を握った。そして少し強引に引くと、微笑んだ。


「こんなに濡れてたら風邪を引いてしまう。千鶴こそ、僕が勝手にしてるんだ。気にしないで」


琥珀の優しい笑顔を見て、ここは断ったら逆に失礼だと思って「じゃあ……」と、御言葉に甘える事にした。


琥珀は私の手を握ったまま、精算する台まで歩いた。そして琥珀が菓子棚を軽く押すと、まるで隠し扉の様にキィッと開いた。


こんなになっていたら気付くはずもない。

琥珀は私の手を離すと、「どうぞ」突然中へ通してくれた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ