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死者の記憶を継ぐ者 〜巻き込まれ転生で幽霊になった俺は、王女に未来を託す〜  作者:


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柔軟性

魔女は、書類を眺めていた。

例の――名簿だ。


魔法適性検査の結果。


住民の名前。職業。家族構成。

そして――適性の有無。


「……ふぅん」


小さく、笑う。


思っていたより、魔法を使える連中が出ているか。

これは、これで――貴族階級どもの血統主義連中が大騒ぎするわね。


魔女の口元が僅かに歪む。


「私の睨んだ通りの結果」


名簿を、軽く叩く。


「心が躍るわ」


……楽しそうだな。


「この連中を」


視線を上げる。


「私が叩き込めば、戦力になる筈」


確かに数は、少ないが育てれば、使えるかもしれない。


「まあ」


肩をすくめる。


「王都でエリシア様の改革案を潰して来た連中からも」


一拍。


「更に、目をつけられるわね」


だろうな。


「あら?」


魔女が、周囲を見る。


「ポチ。お友達の幽霊は?」


……ああ。俺は、指差し板を使う。


「……俺が、幽霊軍団の話をしたら」


読み取る。


「面白がって、仲間を探しに行ったって?」


右手を、上げる。


「あんたも」


呆れた様に、笑う。


「変な事ばかり思いつくわねでも、嫌いじゃないは、その考え」


意外だな。


「物事を見るのに、硬直では無く、柔軟性が必要なのよ」


……。


魔女の言葉からだと縦割りの貴族階級に不満がある感じか?


まあ――何となく想像は出来るが。


次の日。


魔法適性が出た連中を集めて魔女からの――

魔法訓練が、始まった。


さて。どんな魔法訓練が見られるのか。

俺は、少し期待して、眺めていたんだが……


「走れ!」


……マラソン?


「腕立て、止めるな!」


腕立て伏せ。


「腹筋!」


腹筋に……スクワット。基礎体力ばっかりだ。


「……基本は、体力からよ」


魔女が、ちらりとこちらを見る。

そんなもんなのか?


魔法ってもっとこう……詠唱とか、杖とか、

火の玉とか、ドーン!みたいな……


「魔力は、体力に依存するの」


淡々と、言う。


「体が出来てなきゃ、魔力の制御も、維持も出来ないわ」


……成る程。理屈は、解る。

だが――地味だな。


どんな魔法訓練が見られるかと期待していたが……


まだまだ先の様だな。

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