協力
交渉の結果――如何やら、教会側はエリシアに、協力的だ。
判別の水晶の使用も、問題無く、許可されたらしい。
魔女が戻って来て、その旨を伝える。
「教会は、全面的に協力するそうよ」
全面的、か。なら――問題無さそうだな。
後は住人に、対してだ。
教会での検査。
魔法適性の有無。
これを、どこまで受け入れるか。
どんな反応を、示すか?
抵抗感か?
それとも――協力的か?
貴族でもない、ただの住人達にとって、教会の水晶なんて、縁の無い物だろうしな。
不安も、あるだろう。
……ここは。
やってみないと解らん。
数日後。教会の前には、住人達が、集められていた。
農民。商人。職人。
年齢も、性別も様々だ。
「本日は、お集まりいただき――」
教会の神父が、簡単な説明を始める。
魔法適性の検査。判別の水晶。
そして、それが辺境の防衛に、繋がる事。
ざわ……。
当然だな。
急に、
「魔法の素質を調べます」
なんて言われて、すんなり納得する奴ばかりじゃない。
「危険は、無いのか?」
「金は、掛かるのか?」
「貴族でもない俺達が?」
質問が、飛ぶ。
「費用は、掛かりません」
「危険も、ありません」
神父が、一つ一つ、答えていく。
そして――
「これは、エリシア様のご提案です」
その一言で、空気が、少し変わった。
辺境を治める、第二王女の名。
完全な、不信は――無い。
やがて。
「俺、やってみるか」
一人が、前に出る。
それを見て、もう一人。また一人。
……噂は、早い。
その日の内に、街のあちこちで、話題になっていた。
「教会で、魔法の検査だってよ」
「無料らしいぞ」
「才能が有れば、兵になれるとか」
期待と、不安が――広がっていく。




