適性
今の話だと――戦力は、厳しそうだなぁ。
騎士も、民兵も、数は揃えられても、質が追いつかない。
そういや。魔法のある世界、だよな?
ファイヤーボールとか、攻撃魔法ってのは、
無いのかな?
俺は、魔女の前へ出る。
霊鋼の針で、軽く、注意を引く。
「如何したの?ポチ」
指差し板を使う。
「何々?」
魔女が、読み取る。
「攻撃魔法ってのは、この世界にあるのか?」
「そうね」
頷く。
「あるには有るけど」
一拍。
「そもそも、魔法を扱える人数は限られているってとこね」
……そうなのか。
魔法のある世界なら、誰でも、って訳では無いのか。
なら。俺は、続けて書く。
「如何やったら、魔法が扱える様になる?ですって」
魔女が、少し考える。
「教会で、“判別の水晶”を使うのよ」
……あー。俺が、こっちの世界に来た時も、そんな事、やっていたな。
ならば。
魔女の目が僅かに、見開かれる。
「……教会で、判別の水晶を使って」
読み上げる。
「片っ端から、住人を検査するのは?」
「……」
沈黙。
「確かに」
腕を組む。
「教会で判別の水晶を受けるのは」
「貴族か、一部の金持ちだけ」
辺境の民はほぼ、未検査。
「……やる価値は、あるかしら?」
「見つかれば、戦力強化になる」
「確かに、そうね」
頷く。
「提案してみると、しましょうか」
如何やら――
俺の案を、話してくれる様だな。
魔女が、側近に指示を出す。
教会への使いと判別の水晶の、使用許可。
協力の要請。
……どの程度、魔法が使える連中が出てくるかは、解らんけど。
それに――ここの人口も俺は知らないし。
辺境の街。周囲の村。
全部合わせて、どれくらい居るんだ?
仮に、全員調べたとしてもゼロって、可能性だってあるしな。
……まあ。やらないよりは、マシか。




