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死者の記憶を継ぐ者 〜巻き込まれ転生で幽霊になった俺は、王女に未来を託す〜  作者:


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忘れた名前

如何やら――

無事に、出発出来たな。


馬車が、静かに夜道を進んでいく。

王都の灯りが少しずつ、遠ざかっていく。


変な追跡も、無さそうだ。

人の気配も、魔物の気配も、今の所は無い。


……完全に、逃げ切ったかな?


この後は――辺境まで、行くのかな?


「なあ」


横に、あいつが並ぶ。


「お前さ」


「ん?」


「何で、死んだんだ?」


……。


俺は、少し考える。


「……トラック」


「は?」


「ヘッドライト」


眩しい光。そして――真っ白な空間。


「トラック?ヘッドライト?……聞いたことが無い物だな」


「そうだな。ここの世界じゃ無くて、別の世界から来たんだよ」


そいつが、頷く。


「転生?ってやつか?生きては居ないが」


「……お前は?」


俺は、聞き返した。


「どうやって、死んだんだ?」


「……」


少しだけ、黙る。


「分かんねーんだよな」


……は?


「気付いたら、ここに居た」


「それだけ?」


「それだけだ」


肩をすくめる。


「名前も、思い出せねー」


……。


「顔もな」


冗談みたいに、笑う。


「長く居過ぎると、混ざるって言ったろ?」


地下道の方を、指差す。


「ああいう場所に、な」


「……」


「だから、多分」


遠くを見る。


「俺は、ここで死んだんだと思う」


王都の地下。処刑場か。事故か。


それとも――暗殺、か。


「でも」


そいつが、こっちを見る。


「お前は、まだ新しい」


笑う。


「忘れんなよ」


「……何をだ?」


「自分の事を」



……確かに。こいつに言われる前からも、

俺の名前が、すんなり出ずに引っ掛かる事がある。


喉まで出かかってるのに、思い出せない。


そんな、感覚。


……俺も、何かと混ざってきているって事なのかな?


あの地下道。死んだ奴らの、記憶や感情。


そういうのと――魔女も、言っていたしな。


珍しい状況だって。

……気を付けようが有るのか?


このまま削れていくのを待つしかないのか?

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