出口
うーむ……。
かなり、歩いた感じはするが。
俺と同類以外は――
特に、何も起きてないな。
「お」
先を進んでいたシスターが足を止めた。
ん?ここが、出口か?
石の扉が、ゆっくりと開く。
外の空気が、流れ込んできた。
……偵察に、先に行くか。
俺は、そのまま外へ出る。
周囲を見渡す。
ここは――王都はずれ、か。
建物も少ない。街灯もまばら。
特に、変な感じはしないが。
……馬車が、用意されているな。
これに乗って、脱出か。
近付いて確認。
車輪。
荷台。
御者台。
……馬車も、異常無し。
「おい!」
横から、声。
「あ?」
「随分と慎重だな」
さっきの幽霊だ。
「そりゃそうさ」
俺は、肩をすくめる。
「権力ある奴から、逃げてるからな」
「……あー」
頷く。
「権力がある奴の考えは、えげつないからな」
だろ?
「だから、警戒は手を抜けないんだよ」
「じゃあ」
そいつが、笑う。
「俺も、見回ってやるよ」
外へ、視線を向ける。
「久々の外だから」
……ったく。
よく解らん奴だけど、悪い奴じゃ、無さそうだな?
その時、魔女が――
チラリと、こっちを見た。
「はぁ〜」
ため息。
「幽霊が、幽霊に憑かれるって、何なのよ」
……は?
「まあ」
肩をすくめる。
「私は、実験材料が増えるから良いけど」
この魔女め!ハッキリと、実験と言ったぞ!
「周りは、大丈夫?」
俺は、右手を上げた。
「なら、安心だわ」
魔女が、頷く。……気付いてたのかよ。
「おーい」
少し離れた所から、声がした。
「大丈夫そうだな」
そいつが、戻って来る。
「ああ」
俺は、頷いた。
「ありがとうな」
「気にすんな」
周囲を、見回す。
「しかし……」
夜の街並みを、眺める。
「大分、町も変わった感じだなぁ」
「……そうなのか?」
「そうだなぁ」
曖昧に、笑う。
「お前は、どれ位――」
俺は、聞いた。
「幽霊、やってんだ?」
「……」
一瞬、黙る。
「……そう言われると」
首を、傾げる。
「思い出せない」
……。




