月と猫
しかし――
素人に近い連中を使って、暗殺か。
かなり、粗い計画だな。
老夫婦を脅して、毒を盛らせる。
成功すれば事故死。
失敗しても、切り捨て。
……雑だ。
もしかして敵は、一人では無いのか?
今回はルークとは、別口の何か。
それとも――
王都内の、別勢力か。
まあ俺は、エリシアを守るだけだ。
それだけでいい。窓の外を見る。
夜空。
……月が、三つか。
綺麗だなぁ〜。
「ニャ〜」
ん?猫が。
ここの世界にも、猫は居るんだな。
「ニャ〜」
……。
ん?俺の事、見えてるのか?
俺が、左右に揺れる。
猫も、左右に顔を振る。
……見えてる!?
そういや、猫の動画で突然何も無い空間を見つめるの、あったな。
やっぱ、何かその場に居たんだ!
「ニャ〜」
うーん。腹でも、減ってるのか?な?
こいこい!俺は、手招きをしつつ――
台所まで来た。
ミルクでも、やりたいが……
「ポチさん?」
振り向くと。エリシアが、立っていた。
「ニャ〜」
「あら。猫さん」
しゃがみ込む。
「お腹、空いてるのかしら?」
俺は、右手を上げた。
「私が用意してあげるわ」
少しして。皿に入ったミルクが、床へ。
ペロペロ。
「ニャ〜」
良かったな。しかし王族ならこんな事もしないだろうに。
猫。
「猫さんも」
エリシアが、こちらを見る。
「ポチさんの事、見えてるの?」
俺は、右手を上げた。
「ふふふ」
小さく、笑う。
「猫さん」
手を差し出す。
「私と来る?」
「ニャ〜!」
可愛い。
「おいで!」
猫は、嬉しそうに尻尾を立てて、エリシアの元へ歩いて行った。
次の日の朝、食事が終わると外出の準備。いよいよ城にでも行くのかな?




