解放
俺は、地下に戻った。
鉄の扉の向こう。
縛られた、娘と孫。
怯えた表情。
声は出せない様に、口も塞がれている。
……大丈夫だ。
俺は、霊鋼の針を握る。
形を――ナイフのイメージで。
念じる。瞬間。
針が、わずかに広がる。
刃の様に、平たく。
……おぉ。
これなら。娘の方の縄へ、当てる。
スッ。切れた。
子供の方も――
スッ。
よし!後は、口の布も。
二人は、驚いた顔で周囲を見る。
だが――今は静かに。
さて。また、バカ共の所へっと。
俺は、上へ戻る。
……ぷぷぷ。
混乱してやがる。
「うわぁぁぁ!!」
「出たぁぁぁ!!」
「皿が飛んだぁ!!」
もっと、激しくやってやるか。
その前に――鉄の扉の鍵。
霊鋼で、突き刺して。
ぐりっ、と!ぶっ壊してーのーっと。
カチン。
よし。もっと激しく――
ポルターガイスト!
ドン!
ガン!
ギィィィ!!
「うわー!何だ!?」
「おい!札を使って抑え込め!」
へい!
男の一人が、紙札の様な物を取り出す。
床へ、叩きつけた。
「封じろ!」
……お?いや!?効きませんぜ!
「何ぃ!?」
そんなヤベーのが居るのか!?
「おい!逃げるぞ!」
「へい!」
野盗どもが、我先にと出口へ走る。
よしよし。
俺は、地下へ戻る。
扉を――開けてっと。
ギィ……。
扉が、開いた。娘が、目を見開く。
「あら……?」
「縄も、切れてる……?」
「今よ!逃げるわよ!」
二人が、駆け出す。
よしよし。これで、大丈夫。
俺も、ついて逃げるぞ!
……っと。袋に入ってる金貨。
霊鋼で、突き刺して――
回収だ。




