ポルターガイスト作戦
……いや。
時間も、限られてる。
魔女を呼びに戻っている間に、あの娘と孫に何かあったら――終わりだ。
なら。
俺が出来る事を、やってみるかな?
地下の鉄扉を見下ろす。
このまま突っ込んでも、人数差でどうにもならん。
ならば――
地味な嫌がらせから、始めるか。
俺は、上の部屋へ戻る。
野盗どもは、酒を飲んでいた。
机の上のジョッキ。
それを――机の下から、霊鋼で突き刺して……
そっと、動かす。
ジョッキが、すー……っと。
横に、滑った。
「ん?」
男の手が、空を切る。
「……少し飲みすぎたか?」
おい。
「つまみの皿を!」
「へい……って、お頭!」
子分が、笑う。
「目の前にあるじゃないですか!」
「ん……?」
親分が、目を細める。
「……あるな」
皿の上のツマミを、取ろうとする。
その瞬間――すー……っと。
皿が、動き出す。
「ダァーー!?」
親分が、飛び上がる。
「どうしやした?お頭?」
「皿が……動いた!」
「は?」
子分が、酒を掲げる。
「飲みすぎですぜ!」
「……そうだな」
親分が、椅子に座ろうとする。
その瞬間に椅子が、すー……っと。
後ろへ。
「ぶっ!?」
尻餅。
「如何したんです?お頭……?」
ククク。
名付けて――ポルターガイスト作戦!
今度は床を、あちこち……
霊鋼で突き刺してっと。
ドン!
ドン!
ドン!
「ん?」
「何の音だ?」
天井を、見上げる。
今度は――皿を、飛ばすか!
ヒュンッ!
「わっ!?」
皿が、壁に突き刺さる。
「なっ……!?」
「ゴースト系の魔物か!?」
「いや!?そんなもんはここには――」
テーブルも、突き刺して。
ギィ〜……っと床を、引きずる。
「う、うわぁぁぁ!?」
「出たぁぁ!!」
混乱。……よし。
これで人質の逃す隙は、出来たな。




