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死者の記憶を継ぐ者 〜巻き込まれ転生で幽霊になった俺は、王女に未来を託す〜  作者:


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30/42

王都

王都に着くまでに、数回魔物に襲われたが――


無事に、辿り着く事が出来た。

護衛の騎士達も、大きな負傷は無い。

馬車も問題無し。

エリシアも、無事だ。


……しかし。


この世界って、こんな近くに魔物が居るのか?

街道沿い。

王都へ続く、主要な道だぞ?


俺の居た世界なら、高速道路に野生の熊が何匹も出てくる様なもんだ。


こんなんだったら、生活するにも命懸けだな。


魔女にも、確認してみた所――


「そんな訳無いでしょ?」


即答だった。


「王都まで行く街道よ?」


肩をすくめる。


「辺境でも有るまいし……」


だよな。つまり。成る程な。

移動中に、魔物に襲われて亡くなった。


エリシアの敵からすれば――


完璧な筋書きって訳か。街道での事故死。

護衛も巻き添え。

王都に到着する前に、第二王女は死亡。


犯人不明。責任は、辺境の警備体制へ。


……やりたい放題だな。


となると。


ここ、王都では気が抜けないって事か。

むしろ、ここからが本番だ。

俺も、気をつけないと不味いって事か。


やがて、城壁が見えてくる。


高い。


辺境都市の、それとは比べ物にならない。

門を抜けると視界が、開けた。


おー……。


ここが、王都の中心か。石造りの建物が並び。整備された広い通り。


行き交う人々。

荷車。露店。

映画のセットみたいな風景だなぁ。


しかし人が、多いな。

物も多いし、情報も多そうだ。


その中心に――


聳え立つ、巨大な建造物。

白亜の壁。幾つもの塔。


あれが――悪の巣窟?


王城って事か。



「こちらが、本日の宿舎となります」


騎士の声。……ここが?

宿舎?王城へ直行じゃないのか?


目の前にあるのは――少し古びた、宿だ。

石造りではあるが、年季が入っている。

壁の一部は、色が褪せ。

看板も、多少傾いている。


……いやいや。第二王女だぞ?こんな所に、泊まらせるのか?


どう見ても、貴族用の宿じゃない。


怪しさ、満点だが……いい言い方をすれば、

昔からある、風情のある宿屋か?


入口の扉が、ぎぃ、と音を立てて開く。


中から出て来たのは――お爺ちゃん。


背は曲がっているが、動きはしっかりしている。如何にも、昔からやってる感じだな。


その後ろからお婆ちゃん。


この人が、女将さんか?

二人で、切り盛りしているのか。


確かにこれが田舎の宿屋なら、中々良い雰囲気の、落ち着く宿屋だ。


……何度も言うが第二王女だぞ?


泊まるの。

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