対策会議
「よっす遥。おひさー。元気だったか?」
「元気元気。琢磨も元気だったか? もうすぐインターハイの予選なんだろ?」
今日は別の高校行って、サッカー部で頑張ってる、幼馴染で親友の琢磨と、久しぶりに遊ぶぞ。
元気だったみてえだな琢磨!
「ふっはっは。聞いて驚け遥! おれ予選のスタメン入りしたっ」
「マジ? すげえ! うわーやったな琢磨! 俺その日は何があっても絶対応援行くっ!」
「すげえだろ。去年はインターハイの優勝逃したけど、今年は絶対優勝するからな」
「絶対だぞ。うわーやったー! すげえな琢磨! 俺、自慢しちまう! 絶対応援行くからな!」
琢磨が2年の最初の公式戦からスタメン入りとはすげえ!
毎年優勝争いしてる強豪校なのに、頑張った甲斐あったな! すげえ!
俺も予定が合う限り応援行ってたけど、まさかこんな早くにスタメン入りするほど、琢磨が頑張ってたなんて思わなかった!
「偉い! よく頑張ったな! すげえぞ琢磨! 琢磨が出れば絶対優勝間違いねえ!」
「いやいや、サッカーはキーパーが止めるだけじゃ勝てないから、他のメンバーも頑張ってもらわないと」
「む。たしかにな、点入れてもらえねえと、勝てねえ。0点のままだ」
「それより遥、この前さ、彼方の彼氏らしきヤツ目撃したんだけど、おれガン見しちゃってさー」
「え? 滝を? いつ頃見たんだ? 美形なら滝だと思うけど…」
琢磨は当然、彼方の事もよく知ってるし、家も3軒しか離れてねえから、この辺で彼方といっしょに歩いてたなら、たぶん滝だろ。
「ゴールデンウィーク中の夜、たぶん彼方とのデート帰りだと思う。いっしょに歩いてるの見た。黒い髪長い男だよな?」
「あ、黒い長い髪でこの辺りで彼方と歩いてたなら、それ間違いなく滝だよ」
「これが彼方の彼氏かってビックリして、思わずガン見しちまってさー」
「向こうは気づいてたのか?」
「彼方は見えてねえ感じだったけど、彼氏は絶対気づいてたと思うから、謝っといてくれない?」
「そゆの気にするヤツじゃねえけど、言っとくよ。声かけねえでガン見してごめんって」
「頼むよ。でも彼氏見てビビった。あれじゃ彼方のファンも文句言えないってな」
「そだろ? あの見た目の上に成績良くて、親金持ちだしな…つか、彼方のファン?」
「成績いいって聞いてたけど、その上金持ちの坊ちゃんなのか? すげえな、運動神経は?」
「こないだの体育祭で2年連続、クラス代表でリレーのアンカーやるぐれえ足早えヤツだ…って待て、彼方のファン?」
「なんだそれ、最早無敵な完璧超人じゃんか。彼方マジですげえヤツ捕まえたんだなー」
「待て待て、それより彼方のファンって何だ?」
「ん? 知らないのか? 彼方のファンは彼方のファンだけど」
「知らねえよそんなもん。初耳だ。彼方のファンって、彼方アイドルかよ」
「アイドルみたいなもんだろ? あいつの人気は」
「は? そんな話は聞いた事ねえぞ? 彼方にファン? 追っかけでもいるっつーのか?」
「何人かいるじゃん。追っかけって言うよりストーカーに近いけどさ」
「ちょ待て、ストーカー!? そんなヤベえのが彼方の近くにいるっつーのか?」
「いるぞ。だからそのせいで遥の親の防犯意識、すげえ高いじゃん」
「防犯意識って何だ? 彼方は夜外出ねえけど…」
「昼間でも彼方はブザー持ってるだろ?」
「カバンに付けてるけど、女子なら普通だろ?」
「家の手紙類は全部シュレッダーかけてるんだろ?」
「大学関係の書類はかけるだろ。彼方の防犯関係ねえよ」
「洗濯物も外に絶対干さないし」
「洗濯物外に干すとか、彼方だけじゃねえ、母さんのパンツも危険だろ」
「おれんちは外に干すけど? 姉ちゃんブザー持ってねえけど? あいつ夜までバイトしてんぞ?」
「………彼方、誰かに狙われてるのか?」
「彼方だけじゃない。遥の方も危険だって、親は考えてるはずだ。おれ聞いたよ。今年も自転車事故遭ったって?」
「あーあれは不幸な偶然っつーやつだ。被害もメガネ2個だけで済んだし…って、あれは女子だったぞ?」
「だから、その女子が、遥の事狙って自転車事故起こしたんだろ?」
「俺狙って? 親が慰謝料だけでどえれえ金額払ったんだぞ? 琢磨が心配なのは分かるけど…」
「いや、遥。そろそろ本気で自覚した方いいって、世の中まともで賢いヤツばっかじゃないのよ? 今回こそおれは言うからな?」
「また琢磨の心配症が始まった〜。年1回ぐれえ自転車にぶつかるぐれえで…」
琢磨は心配症だから、いちいち大袈裟に心配しすぎなんだよ。
前の時も朝練行くのやめるって、大騒ぎして止めるの大変だったしな。
「真面目に聞けって! 既に被害が出てるんだからさ!」
「琢磨…」
「他人の気持ちに傷ついてからじゃダメなんだよ! 相手が女でも、泣いて謝ったからって心の傷は消えてなくなったりしないだろ?」
「いや、でもあん時はしょーがねえじゃん…琢磨が言ってんのは捻挫した時の事だろうけどさ」
「しょうがないって済ませてられる間に気づかないとダメだ。頑張った練習無駄にさせてくるようなヤツがいるんだから!」
「むー…でもあれはワザとぶつかったわけじゃ…」
たしかに頑張ってたのに、引退試合逃したのはショックだったし、そん時はヘコんだけど、心の傷ってほど大袈裟なもんじゃねえよ。
「ワザとなんだよ、遥。おれ、あとから確認したから知ってる。遥の遭った事故のうち、ほんとの偶然は1回だけだ」
「……………ぇ?」
「遥が傷つくから黙ってたけど、ワザとだったんだよ…」
「………………ウソだろ?」
「あん時は遥、捻挫してすげえ落ち込んでたから、言えなかったけど、あの女ワザとぶつかったんだ」
「…………………マジ?」
マジ分かんねえ…前回の事故って、俺が引退試合逃したせいもあって、慰謝料すげえ額だったはずだぞ?
それがワザとだった?
意味分かんねえそれ…俺、あん時けっこうヘコんだけど、向こうも悪気ねえんだしって…そう納得してたのに…なんだそれ?
何回もに渡って向こうの両親が揃って頭下げに来てた…あれが故意の事故だったのか?
そんなの、許せるわけ…ねえだろ…?
絶対だ。絶対許せねえ。許すなんてあり得ねえぞ、それ。そんなの納得出来ねえじゃん。
俺、試合に出られねえって、あんな悔しかったのに。ほんとにマジ?
「マジだ。今回もそうだったらしいじゃん。彼方からそう聞いてるぞ」
「………は? 今回も? い、意図が分かんねえ…」
狙われてるって俺が嫌いだからじゃねえんだよな? なんでそんな事を?
嫌いで最初から轢き逃げするつもりの方がまだ分かるぞ。
あの時、ちゃんと謝ってたし、逃げる様子もなかったし、名前聞いたら答えて、生徒手帳も渡してくれて…えぇ?
「遥の視力が悪いの知らないヤツは、避けて大事にならないって思うんだ。自転車でぶつかっても笑って許してもらえるって…」
「そんなわけ…メガネ壊れたら俺、なんも見えなくなるんだぞ?」
コートの中でわちゃわちゃすんのがムリで、バスケ部諦めた俺が、突然ぶつかってくる自転車を避けられるわけなんかねえのに。
「分かってないんだよ、遥がどんだけ目がよくないのか。だから話すキッカケ欲しいとかでやるヤツがいる」
「そんなの上手くいくわけねえのに…? 事故ん時ちょこっと喋っただけだぞ?」
事故の時以来、あの女子とは一度も喋ってねえのに、たったそれだけのためにやらかしたのか?
現実的じゃねえだろ、それ。
「みんな勘違いしてるんだ。遥は普段、運動神経いいから、上手く避けて、危なかった、気を付けろよって笑って許してくれるって。だから仲良くなるキッカケが欲しいバカはやらかすんだよ」
「仲良くって…出来るわけねえだろ…頭悪過ぎだろ………そんなヤツ嫌いになるぞ?」
「嫌われるって考えないで、やらかすバカがいるんだ。遥がそれでどれくらい傷つくか考えられないヤツが…」
「えぇ〜…」
俺が普段、学校とかで仲良くねえヤツを、あんま見分けてないの、みんな分かってないからって。
次会った時、覚えておいてもらえるとか、そんな自分勝手なふざけた願望押し付けて、酷い事やるヤツがいるんだって。
琢磨はもう学校違うから、そういうヤツ遠ざけること出来ないし、ほんと心配だって。
親も事故起こしたヤツ会わせたりしないだろ、そういうヤツに付き纏われるの心配してるんだよ、そういうのはちゃんと自覚した方いいって。
悪意じゃなく、好意で、自分勝手な考えして、迷惑かけてくるヤツがいるから、絶対気をつけろ。
琢磨は必死な顔でそんな事言う。
俺はまだそれが信じらんねえ…だって、好きなヤツにやな思いさせようとするヤツがいるなんて、普通は想像しねえじゃん?
自転車とは言え、事故巻き込まれて、加害者と仲良く出来るわけねえじゃん。
普通は二度と顔も見たくねえって思うはずだぞ?
俺が危なかったなって笑って許すとか…頭おかしいって。
それとも、世間じゃそっちの方が普通なのか? 高えメガネ壊れたのに?
俺のメガネってフレームだけで6万以上、レンズ含めると10万近えんだぞ?
それ2個も壊しといて仲良く出来るとか…ねえよ!
絶対あり得ねえ! なんだそのおかしな考え! そんな女子は絶対仲良くしたくねえ!
どんなにかわいくても俺は嫌いだ!
「みんな遥の視力が想像出来ないんだよ。メガネかけてもよく見えないって分からないらしい」
そっか…普通はメガネかけてりゃ見えるもんな。
俺が昼間は眩しいのも知らねえよな…だから、避けて許してもらえるって…
俺が朝手探りでコンタクトつけてるのも、メガネ外したら顔の判別出来ねえぐれえ視力良くねえのも、全部みんなは知らねえんだ。
でもそんなの俺、どうすりゃいい?
周りが理解してくんねえと、どうにも出来ねえ事だぞ、ワザと酷い事するヤツなんか。
「でも、弥勒は毎日迎えに来てくれてるし、滝だって来てるぞ」
「それだけじゃダメだ。遥が警戒しないと。事故のあと加害者は声かけて来てないか?」
「分かんねえ。俺、あん時は顔が全く見えなかったし、声かけてこられても、分かんねえよ」
「もし声かけて来ても絶対許しちゃダメだ。頼りないけどアメ公にも声かけて来そうなら阻止してくれって言うんだよ」
「分かった…他、なんか気をつけた方いい事ってあるか?」
「彼氏なら、家には必ず送ってもらえ。おれんちみたいに近くないんだから。彼方はそうしてるだろ?」
「俺、男なのにか? 男にそれはちょっと過保護じゃねえ?」
「過保護でも、遥には必要だ。それが面倒だとか言うようなヤツは、遥と付き合う資格ない」
「むー…女子みてえで、なんかそれはカッコ悪いぞ…」
「カッコいい悪いじゃないだろ? ワザと酷い事するヤツが遥の周りにいるんだ。関西弁にガードさせないとダメだ」
「………どうしてもか?」
「どうしてもだ。遥、誑かし男はそういうの嫌がるようなヤツなのか?」
「そうじゃねえけど…弥勒はやだとか言わねえだろうけど。むー」
「ダメだからな。おれは絶対譲らない。今すぐ電話して頼め」
「えぇ? 今すぐ〜?」
「今すぐだ。今日はそれだけは絶対やらせようって決めてたし、おれ」
琢磨に、弥勒が彼氏だって認めて欲しいなら、今すぐ電話しろって迫られて、俺はしょーがねえから弥勒に電話かけた。むー…
「───弥勒?」
『おう。どうしてん? 琢磨と遊んでるんと違たんけ?』
「もしもし、おれ琢磨だ。今からすぐ来い。遥の事で話がある」
「ちょ琢磨?」
俺は携帯取り上げられて、琢磨は弥勒の事呼び出してる…弥勒にだって予定とかあるのに、そんな急に呼び出したら迷惑だろ…むー
『遥、今からそっち行く事なったしな』
「うん。なんか悪い…」
『気にせんでええ。他ならぬ遥の親友が、おまえの事で話したいなら、必要あるはずや』
弥勒はそれだけ言って、電話切ってこっち向かってくれたけど、むー…俺、カッコ悪い。
か弱い女子みてえに守られるのやだ。むー
琢磨と大乱闘して待ってたら、30分ほどで弥勒のバイクのエンジン音が聞こえてきたから、琢磨に停めるとこ指示してもらう。
やっぱどっか出かけてたんじゃん…弥勒の予定、変更させちゃって、すまねえ。むー。
まだ俺は納得してねえけど、話し合いだな。
「散らかってるけど、適当座んなよ」
「おう。ほな、ここの雑誌どけてええけ?」
「すまねえな弥勒。今日はどっか出かけてたんだろ?」
「図書館行ってただけやし、気にせんでええって。ほんで、遥の事で話てなんや?」
「迂闊なバカが、バイク持ってるクセに、遥の事、家に送る事すらしてないって聞いたから、文句言おうと思ってな」
「ちょ琢磨、いきなり酷えぞ、それ。俺はか弱い女子かよ。むー」
「あー、やっぱ送った方がええよな。遥がいらんっちゅうし、今までオレも我慢してたけど…」
「ちょえ? 弥勒まで何言ってんだ? えぇ〜…」
「必要な事やらない言い訳じゃなくて、遥がいらないって? メガネないと歩けなくなるんだぞ?」
「せやんな。何かあったら電話も動く事も出来んくなるし、オレもずっと心配やったんや」
なんか俺抜きで、俺の安全対策会議が始まってしまった…
弥勒も琢磨も待て、俺は国家首相とかの世界のVIPじゃねえだろ?
「交通弱者は黙ってろ。メガネ壊れたら何も出来ないだろ?」
「そんだけ周りが心配してんのや。ここは言う事聞いとき」
「むー」
中3の時は、なんとか琢磨の送り迎えを回避出来たけど、どうやら今回は抵抗してもムリっぽいな…くそぅ。
あの女子さえぶつかって来なきゃ、保護みてえな事されねえで済んだのに。
あの女子恨んでやる。
意味分かんねえ。俺と喋りてえからって、事故起こすとか、訳分かんねえ。
だって今俺、あの女子嫌いだし。
仲良くしてえなら、なんで普通に喋りかけてこねえんだ?
親に何百万も払わせて、自分も嫌われるとか、バカじゃねえのか?
一昨年のヤツとか、全治3ヶ月の捻挫と俺が試合出れなかったせいで、何千万単位の慰謝料払ったはずだぞ? マジで訳分かんねえ。
「……なあ琢磨、故意じゃねえ事故っつーのは中1ん時? 中2ん時?」
「中1ん時の3年男子は、遅刻しそうなの焦ったせいだよ。あいつだけはワザとじゃなかった」
「むーっ! あの弁当ダメにされた時もワザとだったのか!」
「弁当だけじゃねえじゃん。カバンごとドブにダイブして、もらったばっかの教科書もダメになって、制服も破いただろ?」
あん時もほんとムカついた。
チェーンに引っかかって制服のズボンは破けるし、ドブに浸かって足は臭えし、思い出しても腹立つ。
教科書っつーか、それといっしょに泥水まみれになった弁当箱が、食い物粗末にしたって、今思い出しても心痛くなる光景だったし。
急に隣をゆっくり走ってた自転車が倒れ込んできたの、俺すげえビックリしたのに、あれワザとだったのか! なんだよそれ!
あん時、彼方と琢磨が激怒してたのは、そういう事だったのか…そりゃ当然だよ。
あん時も被害の割に慰謝料すげえ取ったもんな。
「おまえけっこう酷い有り様やったんやんけ。マジで必ず送り迎えはするしな? 絶対やらせろよ?」
「エセ関西人はマジで気をつけてやれよ? 遥ほんと酷い目に遭いがちだし」
意味分かんねえ、ほんと訳分かんねえ!
逆効果な行動しといて、実は仲良くしたかったとか、頭おかしいヤツが多すぎる。むーっ。
琢磨は弥勒と、俺の送り迎えする事と、学校で事故起こした女子は絶対近づけねえっつー約束して、そのあと3人で大乱闘で遊んだ。
晩メシも琢磨んちで、弥勒も加えて3人で食うぞ。
今回は3人だしっつー事でメニュー変更して、お好み焼きだ。
「どだ? 琢磨、弥勒は料理上手いだろ?」
「遥の料理講師だし、当然だけど、このお好みは美味いな」
「気に入ったようでよかったわ。中学1年の時の事故はどうやったんや?」
「あの先輩はかわいそうでもあったよな。自業自得だったけど、頭切ったしさ」
「あれ校門前だったから、けっこうな大騒ぎになって、琢磨も部活中断して駆けつけて来たもん」
遅刻しそうだって曲がり角を自転車で、猛スピードで突っ込んで来ての衝突事故で、俺は擦り傷程度だったけど、ムリに避けようとしたせいか、3年の先輩は派手に転んで額バックリ切ったんだ。
俺っつーより先輩の傷が酷いせいで救急車呼んで、目撃した先生たちも大騒ぎするし、周りの生徒も騒然として、近所の人とかゾロゾロ集まってきてたから、ほんとにすげえ騒ぎになったんだ。
俺も彼方も、そん時は自転車事故にまだ慣れてなかったから、対応が遅れて騒ぎはデカくなるし、騒ぐ生徒とかの方が大変だった。
「先輩は血まみれだし、それ見て貧血起こして倒れるヤツ出るしで、すげえ騒ぎでな」
「遥は自分より先輩が大丈夫か?ってオロオロしてて、ほんと大変だった」
「ほんまに大事故やんけ、それ。結局どうなってん?」
「先輩といっしょに俺は救急車乗ってったけど、かすり傷程度だったから、次から気をつけようで、あん時は済んだ」
もちろんその事故のあとに、俺んちに向こうの両親が揃って謝りに来てたけど、病院代の数万円程度の負担で騒ぎは収まったはずだ。
事故ってのは健康保険効かねえから、実費っつーのは大変だっただろうけど、先輩もあれで無謀な運転しちゃダメだって思ったはず。
父さん母さんは怒ってたけど、俺にデケえ被害もなかったから、我が家も病院代以外には特に慰謝料とかは取らなかったしな。
「向こうは自転車まで壊れたらしいから、その人は卒業まで徒歩通学してたけどさ」
「さすがにこっちも被害少ねえのに、そんな責める気になんなかったぞ」
「かすり傷で済んでほんまよかったな。この辺り道狭いとこあるし、一人の時は絶対気をつけろよ?」
弥勒は俺が事故ったの、ほんと心配してくれてるんだなって分かるけど、まだちょっと俺は送り迎えするってのはどうかって思う。
でも、身を守るために、必要なのか…ショックだけど、しょーがねえんだな…頭撫でられながら、俺はしょんぼりそう考えた。
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