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この恋のために2  作者: ひなた真水


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33/38

会いたくてたまらない

 ピロロピロロピロロピロロ───…


 日本に帰ってきて、明日から3学期っちゅう午後に、ぼんやり遥の事考えててたら、遥から着信があった。


「遥? どうしてん? 今日は一日家でゆっくりする予定やったやろ?」

『むー。声聞きたくなっちゃダメだったか?』


「いや。オレもちょうど遥の事考えてたとこやし、嬉しいで?」

『えへ。弥勒も俺の事考えてたのか? 俺の何のこと考えてたんだ?』


「ん? 今何してるんかなー? 会いたいなーってな」

『俺も弥勒に会いてえぞ。あんなにいっぱいいっしょにいたのに、もう会いてえんだ』


 オレに会いたいとか、そんなかわいい事言われたら、我慢してたのに、オレも会いたくてたまらんなるやんけ。


「時差ボケは平気か? 明日からもう学校やしな」

『うん。今日我慢すれば、また顔見られるから、しっかりしねえとだな』


「いや、そうやなくてな、元気なら顔見たいなーって」

『む? 俺の顔、弥勒も見てえのか? メシはねえけど、家来るか?』

「メシがないとかはどうでもええけど、琢磨は怒らへんかな? 遥を休ませへんヤツやって」


 オレが元気いっぱいなんやから、遥も元気なんやろうとは思うけど、琢磨の気持ちを考えると、そこは確認しとかんとあかんよな?


『俺の身体はピンピンしてるぞ。心は弥勒に会いてえでしょんぼりだけど』

「ほんまにピンピンしてるけ? 疲れてクタクタになってへんけ?」


『なってねえっ。昼寝もしたからピンピン元気だ』

「ほな会いに行くから、ちょっと待っといてくれや」

『やたーっ!!』


 ヘルメットかぶって、バイク乗って、遥んちまでレッツゴー!! 早よ会いたい。今すぐ会いたい。




 遥んち着いたら、家に送る時いつも停めてる場所に停めさせてもらって、部屋に上がると、我慢出来んでぎゅっと抱きしめた。


「えへ。会いたかったぞ、弥勒」

「オレもめっちゃ会いたかったで、遥。あかんかと思たけど、我慢出来んかった」


「俺も、弥勒が会いてえって思ってるって知ったら、我慢出来ねえから、いっしょだ」

「でも、休憩の日に我慢しきれんのは、やっぱ良うない気がするわ」


 琢磨は家におらんやろうけど、3軒向こうから怒りのオーラを感じるから、反省だけはきっちりしとかんとな。


「うん。ちょっと罪悪感が俺もある。2人でこの日は休憩だって決めたのにってな」

「次からは、決めた事、破らんようにせなあかんな」


「そだな。でも今日だけは見逃してもらおうぜ」

「誰に見逃してもらうんや?」

「うーん。恋愛の神さまとかに?」


 琢磨の気持ちを知らん遥はそう言うて笑って、ちゅっとキスをくれた。


 あかんなー、それだけで反省とか後悔とかが吹っ飛ぶアホなオレ。

 もっとしっかり反省せなあかんのに、嬉しいて反省とかどうでもようなってまうし。


 この先も遥が好きで、きっと同じような失敗してまいそうやけど、後できっちり反省するから、どうか許してくれ、恋愛の神さま。




「そだ。せっかく来たんだからさ、初詣行かねえか? 俺まだ行ってねえし」

「初詣か、ええな。近くに神社あるけ?」


 クリスマスを祝って正月には詣るっちゅう、日本人らしい感覚で遥が誘ってくれるから、オレも付き合って初詣することに。


「弥勒は神さまって信じてるか?」

「一応オレ、カトリックの信徒やし、信じてへん言うたらフランスのジジイが泣く」


「なんと。弥勒ってキリスト教の信徒だったのか」

「あんま熱心なヤツやないけどな。おかんはカトリック信徒やめたヤツやし」


「そういえば古生物学は、カトリックと相性悪いんだったよな」

「教会が進化論を認めてへんからな。心の狭い神やしあかん、日本の神ぐらいデンと構えろっちゅうてな」


「ふふふ。なんかそれ、ウィルジニーらしいな」

「日本の神さまって、色々居るから便利やんな。便所にも居るぐらいやし」


「貧乏にもいるもんな。好かれたくねえ神さまだけど。だったら洗礼名とか持ってるのか?」

「一応持ってる。ウィクトルやけど、フランスのジジイババア以外ほぼ使わん名前や」


 フランスのジジイババアは、オレの事ウィクトルって呼ぶ事もちょいちょいあるけど、それ以外で使ったことない名前や。


「正式な名前は高嶺・ウィクトル・弥勒なのか?」

「いや、オレの場合、洗礼受けたんて名付けのあとやったから、ミドルネームやないねん」


 おかんがカトリックやめてたのもあって、洗礼名付けたんはたしか3つぐらいやったはずやし、その頃にはとっくに高嶺弥勒やった。


「む? じゃあ洗礼名っていつ使うんだ?」

「教会で何か行事があった時にぐらいやけど、カトリックは同性婚も認めてへんしな〜」


「む。そうなると結婚の時にも洗礼名使えねえな。やっぱ心の狭え神だ」

「ジジイとババアが死ぬまでやったら、このままでええけど、死んだらオレも信徒抜けるかもしれん」


 遥んちの近くの神社着いたら、2拍2礼しての初詣や。

 新年あけましておめでとうございます。今年も宜しくお願いいたします。


 昔、初詣は神に対する挨拶みたいなもんやて、おとんが言うてたから、とりあえず挨拶的な事は唱えとく。


「弥勒は何お願いしたんだ?」

「特に何も。初詣は神への挨拶やっちゅう教育やったし。遥は何かお願いしたんけ?」


「したぞ。弥勒といっぱい楽しく過ごせるようにってな」

「なるほど。オレも願えば良かったな、それ」


「いいじゃん。お願い事、ピンチの時まで取っとけば、いざって時に助けてくれるかもだし」

「それもそやな。オレはピンチになるまでお願いは取っとこ」


「四国のばあさんちには仏壇があったから、やっぱ仏教なんだろ?」

「せやで。特に押しつけてこんし、普通に神社にも行く2人やけど、一応なんかの宗派やったはずや」


「フランスのじいさんは押しつけてくるのか?」

「別に押しつけてこんで。洗礼名も、オレの名前が弥勒やし、付けたいっちゅう事やったらしいし」


「ぷ。弥勒菩薩の弥勒だから、ちょっと悔しくて付けたのかな?」

「たぶんな。そっちの宗教だけズルいて思たんやろ」


「明彦はよくある名前なのに、弥勒は珍しい名前だよな?」

「おとんの名前はジジイのおとん、ヒィジジイが付けたらしいからな。ジジイは気にいらんかったらしいで」


 実際、マンション貸してくれてるオッサンとこの従姉妹も、ジジイ命名やし菩薩の名前やからな。


「弥勒、近くに従姉妹がいるのか。知らなかったぞ」

「文殊と勢至っちゅう、2人姉妹の従姉妹が居るで。2人とも中学生や」


「じゃあ街で知らねえ女と歩いてても、浮気だって誤解しねえように気をつけねえとだな」

「そもそも遥は、オレの事先に見つけれへんやろ。オレの方が絶対先に見つけるわ」


「それもそっか。俺白いし、弥勒の方が視力いいもんな」

「遥には従兄弟とかいるけ?」


「1つ年上の海斗くんと3つ年上の湊ちゃんっつーのが、隣の市のおじさんとこにいる。父方の従兄弟も覚えてねえけどいるはずだし」

「女の従姉妹がいるなら、オレの方こそ気をつけんとな」


「弥勒はヤキモチ妬きだからな。いっしょに歩いてるのを誤解したらダメだぞ?」

「誤解された事とかあるんけ?」


「彼方が海斗くんの彼女に誤解された事あるな。知らねえ子と歩いてる! 誰だっ!って横に俺も湊ちゃんもいたのに、大げんかでまいったよ」


 ただの従姉妹やって従兄弟2人と遥の3人で説明して、ようやくその従兄弟の彼女の機嫌は直ったらしい。

 あん時はまいったっちゅうけど、彼方みたいなかわいいのと、仲良う自分の彼氏が歩いてたら、そらその彼女も焦るやろな。


「それ以来彼方が警戒してさ、海斗くんの隣歩くのやだっつーから、ほんと困るよ」

「しゃーないって。自分の彼氏がかわいい女の子と嬉しそうに歩いてたら、ムカつきもするもんやし」


「でも、彼方だぞ? 着ぐるみパジャマのなりなりだぞ?」

「それでも彼方の見た目はかわいいやんけ」


「うーん…かわいいか? 俺、まだ彼方がかわいいのは分かんねえ」

「彼方はおかん似の別嬪やと思うで? 遥の方がイケてるけど」


「むー? 彼方がかわいいのか…むーん……不細工じゃねえけどさー…」

「父方の従兄弟は覚えてへんのか」


「うん。じいさんもばあさんも、ちっせえ頃に死んじゃったから、帰省しなくて会わねえんだよ」

「遥のおとんは何人兄弟なんや?」


「兄1人に妹と弟が1人ずつの4人兄妹だから、従兄弟はいるはずなんだ」

「その人数やと、間違いなくいるやろな。オレのおかん方の親戚も5人兄妹やし、従兄弟わんさかや」


「5人もいたら、1組同性婚でも従兄弟はわんさかだろうな」

「3人3人2人の8人居るから、毎年クリスマスが大変やって、おとんが言うとったからな」


「そっか。弥勒がもらう分、あげねえとだし、大変なんだ」

「その点遥のおとんは賢いな。問題解いた子だけ次のプレゼントやし」


「父さんのプレゼントにはそんな策略があったとは………でも年玉は配ってたぞ?」

「年玉はジジイババア以外、会わへんともらえへんやんけ。オレのオッサン、会うようになるまでくれへんかったで?」


「そだな。ただの親戚は会わねえとくれねえ。会わねえでくれるのはじいさんばあさんぐれえだ。ふむ………」


 いつか彼方に子どもが産まれたら、オレといっしょにクリスマスのプレゼントは贈りたいって言う。

 オレに兄妹がおらん分、クリスマスさせたるって、遥のその発想がええ。


 クリスマスには祝うのが普通なオレの事を、色々考えてへんかったら絶対言えん言葉やし、めっちゃ嬉しなる。

 遥を好きで良かった。こういう言葉をもらうたびに、何回でも思うな。




 遥を送ってバイクに乗って家に帰るついでに、買い物して帰ろか。

 明日からまた、いっしょにメシ食うんやから、今日はちょっと手ぇ抜いて、適当メシにしとこっと。

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