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この恋のために2  作者: ひなた真水


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2度目の誕生日

 伊東藤本を補習の魔の手から無事救いだして、24日の終業式が終わったあと、速攻パタゴニアに旅立った俺と弥勒、今日は弥勒の誕生日だけど、飛行機の中でのお祝いだ。


「弥勒、誕生日おめでとうだ。これ、プレゼントだぞ」

「おおきに遥。オレからはこれ、クリスマスのプレゼントやで」


 俺があげたのは弥勒に似合いそうなキーホルダー。

 弥勒は普段、バイクで移動だから、キーホルダーなら何かと目につきやすいからだ。


 弥勒が俺にくれたのは、デニム生地のカッコいい帽子だ。

 俺、眩しい時もけっこうあるから、帽子はよく被るけど、こんなカッコいい帽子は嬉しいぞ!


 しかも弥勒、またカードつけてくれてる。

 今度のも弥勒が作ってくれたのか、俺の名前が入った素敵なクリスマスカードだ。


 えへ、嬉しいな、これも大事にとっておこう。俺の宝物だぞ。

 俺、父さん母さん琢磨には、あげるばっかでもらった事はなかったから、カードもらえるのがこんな嬉しいとか知らなかった。


「弥勒、この帽子すげえカッコいいな。それと、カードもさんきゅ。今回のもデザインは弥勒か?」

「せやで。全部手書きは年に1回にしよかて思ってな。上達が分かりやすいやろ?」


「ふふ。弥勒、字の練習頑張ってるもんな。このカードもカッコよくて素敵だ。待ち受けにしとくからな?」

「ぜひそうしてくれ。正直、手書きの方はしょぼいから、こっちに変えて欲しくて作ったんや」


「ええ? この手書きのやつもすげえ素敵だぞ? しょぼくなんかねえって」

 俺はそっと待ち受け画面を点灯させて、春にもらったカードを見返す。


 弥勒らしい元気でしっかりした文字で書いてあるカードは、俺のすげえお気に入りなんだけど?


「いや、遥がどう思うかやなくて、オレが恥ずかしいねん。下手くそな字やしな」

「下手くそっつーか、日本語だからデザインが難しかっただけだろ。まっすぐ伝わって素敵なカードなのに」


「日本語はカードに向かへんのけ?」

「日本語がカードに向かねえっつーわけじゃねえ。アルファベットの方がデザインが楽なんだよ。色々いじりやすい」


 俺だって正直、日本語で上手くレタリングしたカッコいいカード作ろうっていうのは、難易度が高えって思うもんな。

 その点、アルファベットはカッコよく書きやすいから、カード作る時はアルファベットで考えるのが普通だしさ。


「そういう事か。お絵描きソフトのフォント見ても、アルファベットの方が多いもんな」

「でも俺はこのシンプルなカードが、すげえ素敵だって思うぞ。こっちのデジタルのもいいけどさ」


「それでも嫌や。それはオレが納得してへん出来やし、早よ新しいのに変えてくれ」

「ったく、しょーがねえな〜。俺も嬉しいから、新しいのに変えるけどさ」


 弥勒作の世界に1枚きりのクリスマスカードを写真に収めて、さっそく待ち受け画面に設定すると、弥勒は満足そうにしてやがる。

 そんなにやだったのか。誕生日のカードも弥勒らしくて素敵だし、全然不細工じゃねえのに………


「このキーホルダー、H&Mてわざわざ入れてくれたんけ?」

「ううん。H&Mっつーメーカーのなんだよ。見つけた時に、これだって思ってな」


 実はこっそり、同じメーカーの出してる小銭入れもあって、俺はそれを自分用に買ったんだよ。

 弥勒のキーホルダーとメーカー名がいっしょだから、まるでアイテムは違うのに、弥勒とお揃いになって嬉しい気分だ。


「そうか〜、メーカー名なんや。オレと遥のイニシャル入りやてビックリしたわ」

「木の手触りが素敵だし、俺と弥勒のイニシャルみてえなメーカー名だし、これ以外はねえって思わねえ?」


「思う。めっちゃ嬉しいで、これ。大事にするわ」

「ふふ。良かった、去年みてえに泣かれねえでホッとしたよ」

「あっ…あれはしゃーないねん。その…慶太が遥からカードもらえるかもって言うから」


 弥勒が頭をかきながら、そんな事を、決まり悪そうな顔しながら言った。


「滝がカードの事を? あそっか、滝も彼方からカードもらってるから」

「仲良しやと手書きのカードを付けてもらえるって聞いてて、ついてへんかったら、仲良ないんやて思うやんけ」


 そっか。仲良しの証拠みてえなカードがついてねえから、ショックで泣いたのか。気づかなかったな。


「むー。2枚も書いてたのに〜」

「どっちもクリスマスカードやなかったやんけ。それでオレ、仲良しや思てへんのやて思てな」


「違うぞ。元々俺んちじゃ、クリスマスはそんな盛大にやる日じゃねえんだよ」

「そうなんけ?」

「ツリー飾ったりもしねえし、ご馳走も食わねえのがうちのクリスマスなんだ」


 母さんもその時期は、大掃除だなんだって正月の準備でバタバタしてるから、うちのクリスマスはほんとに地味だし、全然お祝いっつー雰囲気じゃねえ。


 メシも、弥勒たちが来る時の方が、よっぽど豪華っつーぐれえ、全然普通のメシだしな。


 俺も最初から、クリスマスより弥勒の誕生日に狙いを定めて、色々考えてたからなー。

 あん時はまさか、泣くとは思わなくて、俺すげえ焦った。


「特別に祝ったりせんのや? そら寂しいクリスマスやな。クリスマスプレゼントもなしけ?」

「うん。でも代わりにテストのご褒美があるから、なくても気になんなかったしな」


 それにすぐ後には正月があって、ばあさんが年玉くれるから、年末年始のお祝いっつーと、そっちの方がメインだ。


「子どもの頃はクリスマスにプレゼント欲しがったりせんかったんけ?」

「小学校の時は、父さんも問題付けたプレゼントくれてたけど、面倒くせえ方がデカかった」


 クリスマスより正月に、他の親とかばあさんみてえに、ただで年玉くれる親がいいって、俺は何回も思ったもんだ。


「なるほど、やっぱり問題が付いてくるプレゼントやったんや」

「誕生日が春だから、春までに解かねえとで面倒くせえプレゼントだ。だから、クリスマスって盛り上がった事なかったんだよ」

「オレはわりと、自分の誕生日っちゅうより、クリスマスやからで、プレゼントもらってたからな〜」


 弥勒の両親は、どんなに忙しくていっしょにいられねえ時でも、プレゼントだけは絶対は用意してくれてたらしい。

 そんなに弥勒にとって、クリスマスが重要な日だとは知らなかったんだよ。


「感覚の齟齬があったみてえだな。今じゃ俺の中では、クリスマスはすっかり弥勒の誕生日だけど」

「最初やし、特別にクリスマスも祝ってくれたっちゅう事やったんや?」

「そだぞ。でもクリスマスのカードより1年目をカードにしたくて、ああなったんだ」


 クリスマスのプレゼントはマフラーで、誕生日のプレゼントが俺の告白っつー段取りだったから、絶対喜ぶって思ってたし。


「今年は誕生日のカードに2ndて書いてあるもんな」

「毎年1個ずつ数が増えてくって考えたら、それも楽しみだろ?」


「もう泣かへんから、カードだけでええし、毎年くれよ?」

「弥勒もプレゼントより、やっぱカードか?」


「おう。手書きのカードはお金では買えん価値があるし、遥のカードはそれに加えてめっちゃきれいでカッコええしな」

「えへ。だったらカードだけは何が何でも贈る事にしとくな」


 誕生日よりクリスマスか…弥勒がそんなにクリスマスを大切な日だって思ってるとは、知らなかった。


 でも、俺にとってはクリスマスより、絶対弥勒の誕生日の方が大切だし、毎年クリスマスには誕生日を祝いてえからな?

 今年はプレゼントの交換だけで、ちゃんとお祝い出来ねえのが残念だけど、その分バレンタインにいっぱいお祝いしよう。

もしよければ、ブックマークや⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を付けてくださると作者は泣いて喜びます(๑>◡<๑)ノ

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