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この恋のために2  作者: ひなた真水


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Wデート

「遥、たまにはオレらから慶太と彼方誘って、Wデートっちゅうのをしてみぃひんけ?」

「ふむ…… そういや俺らって、2人誘う時は家の晩メシの時ぐれえだもんな。でもどこ誘おうか?」


「たまたまこのサイト見つけてオレ思ったんやけどな、こことかどうや?」

「なになに? 体験型ゲーム『孤島の監獄から抜け出せ!!』?」


 へえ、体験型ゲームでこんなのがあるんだ? 適正人数は3〜5人で、4人ならちょうどいい人数だ。


 彼方にはこの前、弥勒をメシに誘ってもらった恩もあるから、Wデートっつーのは悪くねえアイデアだ。

 さっそく2人を誘ってこのゲームに参加してみようぜって事になった。

 

「へえ、体験型ゲーム? 面白そうだねっ。どう、彼方。いっしょに行かない?」

「うむり。見事監獄から抜け出して、タキといっしょ自由を手に入れるなり」




 滝も彼方も乗り気だし、4人揃って申し込みしての当日。

 集合場所の、なんの変哲もない雑居ビルの4階にやってきてみると、シルクハットに仮面にマントの怪しい司会者が待っていた。




「ようこそ諸君、私は名無しの司会者。諸君たちは酷い罪を犯し、監獄へ投獄された哀れな囚人達だ」


 だがしかし、ある日を境に突然看守たちは見回りをやらなくなり、さらにその日から食事の供給がストップしてしまった!

 見張りがいなくなって自由は得たが、このままでは飢え死にが確定してしまう。

 この孤島にある監獄へやって来る定期船は、今日の午後3時に出港すると、向こう1ヶ月は戻らない。

 諸君たちはなんとか監獄から脱出して、定期船に乗って逃げなければ、待つのは死のみだ!!




 なるほど、こういう設定でこの場の謎を解いて、時間までに係の人に答えを告げたヤツは脱出出来る仕組みのゲームか。

 こりゃ面白そうだ。みんなで協力するのはもちろんありだよな?


 6人以上だと団体割引もあるゲームみてえだし、ってことは複数人で謎に挑むのが前提だろうしな。


「弥勒、謎解きするのは協力ってありだよな?」

「ナシなら団体割引はせんと思うし、協力しようや、遥」


 まず監獄部分をあちこち調べてみると、椅子の背もたれに明らかに怪しい落書きを発見する。

 これは絶対ヒントの一つだろって弥勒と話して、メモを取る。メモメモ…

 他にもベッドの下や空の食事トレイの裏に暗号らしきものを発見して、さっそくそれを解きにかかってみるが、全然解けない。


「ダメだ。解けないな〜」

「暗号かキーのピースが足らんのかもしれんな」

「もう一度探すぞ、弥勒! 時間も限られてるから急ごう」

「せやな。定期船が出てしもたら、オレら餓死決定や。急がんと」


 急いでもう一度部屋を探索し直すと、シーツの下にヒント発見。これはピースだな。

 なるほど、こう組み合わせたら…


「よーし、読めたで。これでこの部屋は終わりなんかな?」

「ヒントの拾い漏らしがあるのかないか、全然分かんねえのがリアルってわけだな」

「画面にヒントが出るようなテレビの推理ゲームと違う、リアルだからこそってことやな」


「うーはるタソ〜、こっちにもヒントがあるって知ってたなりか?」

「えぇっ! こっちだな? 急ごう弥勒っ」


 彼方たちからヒントもらったり、俺らが解いた部分の暗号教えたりしながら、みんなで協力して謎解きに挑んでくと、だんだん事実もわかって来るようになってるのが面白い。

 なるほど、看守たちはそのせいで死んだんだな。


 最後はみんなでわいわいやりながら謎を解いて、みんなで揃って脱出に成功した。


 これ、けっこう楽しかった!

 弥勒と2人で出来るような難易度だったら、2人でやってみてえくらいだ。


 最後は模範解答を名無しの司会者に教えてもらって、自分たちの答えと照らし合わせるのも楽しい。


 くっそー、ここはそういうことだったのか。

 トイレの後ろのヒントがまさか、看守たちの直接の死因だとは思わなかったな。やられたーっ!


「すげえ楽しかったぞ、弥勒。誘ってくれてさんきゅな!」

「うむり。楽しすだったなり〜。の? タキ」

「ほんとにすごく楽しかったね。彼方との遊びの幅が増えたよ」

「全部が模範解答やなかったんが悔しいけど、めっちゃオモロかったし、またやろ」


 脱出記念に4人でステッカーもらって、口々に感想言い合いながらの帰り道、今度は滝からの提案でカフェに行ってみる。




 歪んだ窓や椅子の背もたれに、シルクハットを被ったウェイターと、エプロンドレスのウェイトレス。

 壁にはチェシャ猫や、トランプの兵隊や、白バラに塗り替えかけの赤いバラも描いてあるし、水タバコ吸ってるイモ虫の人形もいるし、レジのとこにいるのは赤のクイーンだっ。


 これはまた、いかにも彼方が好きそうな、不思議の国のアリスがコンセプトのカフェだな。




「男2人だと、こういう場所って来ないだろ? でも、ここのカフェラテがすごくおススメなんだよ」


 そう言う滝に勧められてカフェラテを頼んでみたら、表面にすげえきれいなリーフ模様のが出てきた。

 弥勒のはカフェラテにスワン、滝のは抹茶ラテにチューリップ、彼方は3Dでうさぎがぴょこんだ。

 記念に写メって目でしっかり楽しんだ後は、くりくり混ぜて味もしっかり楽しむぞ。


「すげえ、俺普段はカフェラテってあんま飲まねえけど、これは味もいいし頼む価値あるなっ」

「うむり。かわゆすを堪能した後に、舌にも嬉しすで、素敵場所なりっ」


「男2人やとちょっと入りにくい雰囲気やけど、味はええし、家でこれは出来ひんもんな〜」

「気に入ってもらえて良かった。おれからのお礼だよ」


「ここは彼方とよう来る場所なんけ?」

「うむり。かなタソ、ここのうさぎさんお気に入りなりから、おデートでよく来るなり」


「ここのはプロの技って感じで、家では楽しめない物があるからね」

「彼方がいかにも好きそうなうさぎだもんな。俺らが行くのはな───…」


 俺と弥勒も普段のデートで使う場所を教えて、情報交換。

 俺らは男同士ならではっつー感じで、ラーメン屋とかを教えてやろう。

 彼方、けっこうよく食うヤツだし、滝といっしょに行っても、文句なんか言わねえからって。


「うひょ。お味よろしのラーメン屋さんは気になるなりねー」

「しかも大盛り特盛が超お得なんだ」


「野菜マシマシとかも出来るから、絶対一度は行った方がええとこやで」

「おれも彼方も食べるのは好きだし、ぜひ一度行ってみるよ」

 

 夕方、彼方と2人で滝と弥勒に送ってもらって家に帰る。今日も楽しかった…


 家に帰るとやっぱ少し寂しいけど、また月曜日になれば会えるんだからって自分に言い聞かせる。

 さて、いっぱい遊んだ分、しっかり勉強して、未来のために備えようっ。

もしよければ、ブックマークや⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎を付けてくださると作者は泣いて喜びます(๑>◡<๑)ノ

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