野営
ゴブリンを倒した俺たちは隣の街を目指し進んでいる。
「ルーもうすぐ夜じゃないか。」シーがそう声をかけてきた。確かに太陽は西の方に沈んでいっている。「そうだな、この辺りで野営するか。」俺はそう仲間たちに呼びかけた。ここで野営すると決めた俺たちは準備を始める。俺は持ってきた保存食を料理する準備をする。シーは木の枝や枯れ葉などを集める。僧侶は周りを見張る。魔法使いは火を起こす係だ。炎の魔法は苦手らしいが小さな火ぐらいは起こせるらしい。
シーが集めてきた燃料に魔法使いが火をつけてくれた。
「いつもありがとうな。火、苦手なのに。」俺はそう魔法使いに感謝を伝えた。
「別にいい。それと仲間なんだし魔法使いじゃなくて戦士みたいにギールって呼んで。」ギールからそう言われた。
「わかったよギール。これからもよろしくな。」そう言われたギールは少し微笑んだ気がする。「ねえ勇者。今日の食事は何?」急に僧侶が聞いてきた。
「今日は、干し肉のスープとパンだ。」そう返事をする。
「また。ずっと同じメニューじゃない。」僧侶が文句をいう。「まあうまいからいいじゃないか。」シーがそういってくれた。
「そうだうまいからいいんだ。ずっと同じでもうまいから…」そう宣言する。実際そう言ってはいるものの同じものをずっと食べ続けるのは結構キツイ。始めの1日や2日はいいが3日目ぐらいからキツくなる。
「勇者もそう思ってるじゃん。」僧侶がそういう。まさか心を読まれたのか!
「うまいっていってるでしょ。」俺がそういう。「でもさっき最後無理やりいってるみたいだったよ。」心が読まれたんじゃくてそう僧侶が感じ取ったらしい。
「そろそろできただろ。ルー飯にしようぜ。」シーがそうせかしてきた。
「そうだな食べるか。」いつかこんな平和な暮らしが日常になる世界になってほしいな。