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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第8章:絆の力で

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第93話 メギドブラストを超えるもの

「数を頼みにのこのこやってきたようであるな。聖戦士など何人居ようと物の数ではないぞ」


 将軍ベルゼブの声が、地下への階段前のこの廊下に響き渡る。

 ナラッカの重戦士たるその姿は、全く焦ってない。


 余裕綽々だ。


 自分がこうして迎撃に出た時点で、ここはもう勝ったと固く信じてるらしいな。


 ……当然かもしれない。

 こいつにはメギドブラストが通じないんだから。


 あの魔光壁があれば、何人だろうと関係ないと思ってるんだろう。

 俺は深く息を吸って、静かに呟くように言った。


「男子、三日会わざれば刮目して見よ」


 ベルゼブがその言葉を聞いて、嘲るように笑った。


「……何がだ。強がりも度が過ぎると哀れであるな。気持ちだけでは勝つことはできんのだよ、ニンゲン」


 油断している。

 こいつの油断が、俺のチャンスだ。


 ……だったら、やれるぜ!


 そこでガルザムとゼルノスが同時に動いた。


 2人は聖戦士の鎧の胸に輝く結晶に手を当て、エネルギーを集中させる構えを取る。

 メギドブラストの構え……!


 ベルゼブはそれを見て、さらに嘲笑を深めた。


「だから数を頼みに向かって来ても無駄なのだ。メギドブラストの数の問題では無いのだよ」


 そう言いつつ、自身も腕をクロスして紫色の魔光波のバリアを展開。

 ……魔光壁!


 鉄壁の防御態勢──当然そう来るよな。

 分かってたよ。


 俺もまた、胸の前にエネルギーを溜めるイメージで両手のひらを向き合わせた。

 市子を置いて撤退するしかなかったあの日の悔しさ。

 修行に費やした5日間。


 ……そして、市子と積み重ねた幼馴染としての思い出。


 一緒に過ごした記憶の数々……それを全部を込めて、俺は集中する。


「メギドブラスト!」


 先にガルザムとゼルノスのメギドブラストが放たれた。二人の胸の結晶から紫色のエネルギー波が迸り、ベルゼブに向かって一直線に飛ぶ。


「グハハハハ! 無駄だ!」


 だが、その攻撃は全て魔光壁を破れず、無駄打ちとして消えた。


 ……当然そうなるだろう。そこまでは分かってた。


 だけど……


 ここからだ!


 俺は目を閉じ、全身に力を込める。


「ウオオオオオ!」


 そして雄叫びをあげながら


 溜めに溜めたメギドブラストを解き放つ。


 だが、そのエネルギーはベルゼブに向かわなかった。


 空中で拡散し、Uターンして俺に向かって戻ってきた。

 俺がそうしたんだ。


 同時に、俺はベルゼブに突っ込んだ。

 右手を空手の貫手のように構え、全速力で距離を詰める。


 そこに戻ってきたメギドブラストが俺の右手に吸い込まれ、輝く光の手刀に変化した。


「……な……?」


 ここでベルゼブの動揺が伝わってきた。焦りの気配が肌で感じ取れる。


 ……理解したんだろう。俺が何をやったのか。


 これはお前の魔光壁をヒントに編み出した、俺の新必殺技……!


『ミユキ、行け!』


 タケルさんの激励が頭に響く。


「ああ、行くよ……!」


 俺はそれに応え、さらに速度を上げて突き進み……


「……喰らえ!」


 俺は最高速度を維持したまま。

 右手を振り上げながら叫んだ。


 ……この技の名を!


「メギドセイバーァァァッ!」


 メギドブラストを高密度に圧縮し、貫通力を極限まで高めた光の手刀──


 メギドセイバー……!


 それが、将軍ベルゼブの魔光壁を貫いた。

 紫光のバリアが木っ端微塵に砕け散り、その勢いのまま俺の手がベルゼブの胸を突き刺す。


 そしてベルゼブの背中から光が飛び出し、奴の体を貫通した。


 ……俺のメギドセイバーを喰らったベルゼブは


「バ……バカな……! 吾輩はノーブルクラスの最古参……!」


 ただ、呆然と呟く。


 この結果が信じられないのか。


「何故この吾輩が……この吾輩が……ニンゲンなどに……!」


 震え、困惑し、動揺していた。


 そこに俺はある種の敬意を持った。

 こいつ、この状況で怯えていない……!


 とんでもない奴だ。

 さすがノーブルクラスとして長年その地位にいた化け物……!


 そして


「グアアアアアアア!!」


 絶叫と共に、激しい閃光が辺りを包んだ。

 ベルゼブの体が爆散し、光と共に消滅したのだ。


 光が消えた後、奴の姿は跡形もない。


 俺は興奮と感動で震えていた。


『ミユキ……ありがとう』


 タケルさんの労う声。

 自分が果たせなかったことを俺がやったからか……


 俺は思わず声に出した。

 興奮と喜びを


「……やったぞ……勝てた!」


 ついに、ノーブルクラスのナラッカ・将軍ベルゼブを倒した。

 俺は息を整えながら、心の中で呟いた。


 市子、待っていてくれ……今行くからな。


 ガルザムが蛇腹剣を収め、ゼルノスが大弓を下ろす。

 2人も俺を労う。


「素晴らしいですね。伝説級のノーブルクラスでもあった、ベルゼブを討伐するとは」


 ガルザムが静かに称賛。


「メギド様もお喜びになるでしょう」


 それにゼルノスも頷いた。


「君らが協力してくれたから。ありがとう」


 そう言って俺は2人に軽く頭を下げて、階段を指さす。


「……行こう。まだ終わってない」


 俺の言葉に2人が頷き、俺たちは地下牢へと急ぐ。


 ……ベルゼブは倒した。


 次は、市子を救う番だ。

幹部1体撃破!


読んでいただき感謝です。

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