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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第8章:絆の力で

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第92話 突入

 俺は髭を剃り終え、風呂で汗を流して新しい服に着替えた。

 準備が整ったところで、ゼルノスとガルザムが白いバンを用意してくれた。

 俺は後部座席に乗り込み、窓の外を見つめる。


(市子、今から行くから)


 心の中でそう呟くと、胸の奥が熱くなる。


 市子の「信じてるから」という声が、まるで今も耳に響いてるみたいだった。


 あいつは俺を信じてる。

 なら、俺もあいつを絶対に救ってみせる。


 ゼルノスが運転席でアクセルを踏み込み、バンが勢いよく走り出す。

 ガルザムは助手席で無言のまま地図を確認してる。


 目的地は鈴木社長の別荘──市子が地下に監禁されてる場所だ。

 念写で得た情報に間違いはないから、あとは突っ込むだけ。


 数時間後、バンは山間の静かな道を抜けて、別荘の近くに到着した。


 山の中に不釣り合いな小奇麗な屋敷。

 でも、その静けさは長くは続かなかった。


 別荘の門が開き、中から警備兵が飛び出してきた。

 ただしそれは人間じゃない──ナラッカだ。

 様々な種類の化け物どもが飛び出して来た。


 向こうも正体を隠す気はないらしい。


 ……事前に魔鈴を鳴らしておいたからな。

 こうすることで、こっちが聖戦士であると事前に知らせた。


 もし通報されると困りはしないが、警察に迷惑が掛かるから。

 マナーみたいなもんだ。


「行くぞ!」


 俺はバンから降りる直前、他の2人に呼び掛ける。

 2人は俺に視線を向けて頷いた。


「玲瓏ーッ!」


 俺、ガルザム、ゼルノスの3人がそれぞれの依り代を手に。

 同時に叫んだ。


 青い光がガルザムを包み、瞬時に聖戦士の鎧を着装する。

 彼女の手には蛇腹剣が握られ、青い炎が刃に宿る。

 鞭の特性を反映した、攻撃を加えた相手に激痛を与える武器。


 赤い光がゼルノスを包み、同じく聖戦士の姿に変身する。

 彼女の鎧の色は赤。

 そして武器は大弓で、紫色の炎が矢に変化する。

 これは誘導ミサイルみたいにナラッカを自動で追いかけるエネルギーの矢だそうで


 ──これが、緩めのメギドブラストらしい。


 複数同時発射ができて、弱いナラッカならこれだけで討伐できるそうだ。

 さすがはメギド様の近衛戦士……強過ぎる!


 そして俺も聖戦士の鎧を着装し、向かってくるナラッカの集団に立ち向かう。


「邪魔をするな!」


 一番前に飛び出したガルザムが蛇腹剣を振るう。

 ナラッカの群れにその刃が当たると「グハアア!」と悲鳴が上がってのたうち回る。

 激痛の追加効果が効いてるんだ。


 ゼルノスが大弓を引き絞り、紫の炎の矢を放つ。

 一射で同時に矢を3つ番えている。


 それが全然別の方向に飛んでいき、複数のナラッカに命中する。

 追尾機能で逃げられない化け物どもが次々と倒れていく。

 中にはそのまま爆発四散するヤツもいた。


「多数を相手にするなら私に任せてください!」


 ゼルノスがそう叫ぶ。


 俺は決断の稲光を頼りに格闘戦に突入。

 ナラッカの攻撃が来る瞬間を青い稲光で察知できるから、避けてカウンターを叩き込む。

 そうやって敵を捌き、奥に突き進む俺たち。


 ハッキリ言って無双状態。

 玄関を蹴破り、廊下を駆け抜ける。


 そして地下牢へ続く階段が見えた瞬間、背筋に冷たいものが走った。


「乱暴狼藉はそこまでである」


 その階段から、あいつが姿を現して来たんだ。


 ──黒い甲殻に覆われた蠅怪人、ノーブルクラスのナラッカ・将軍ベルゼブ……!


 あのときの恐怖が蘇って来たが、同時に大切な助手であり、幼馴染の市子を攫われた怒り。

 それで俺は自分を奮い立たせた。


 そして


「ベルゼブ……今日俺はお前を倒して、必ず市子を助ける。覚悟しろ……!」


 俺は拳を握り、構えた。

 ガルザムとゼルノスも武器を構え、緊張感がこの空間を支配する。


 ……ここからが本当の戦いだ!

次回激突!


読んでいただき感謝です。

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