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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第8章:絆の力で

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第87話 ヤツを倒すために

 俺とガルザムは、キズナネット本社から脱出した。


 正面の扉から出るのは不可能で……


「メギドブラスト!」


 地下階まで潜って来て。

 ……ガルザムの、メギドブラストで地面に大穴を開け、そこから地下道に。

 地下道というか、下水道。


 悪臭が酷いが、そんなことは言ってられない。

 それに、市子のことを思うと文句なんて言ってられない。


 しばらくそんな汚くて臭い場所を駆け抜けて。


 どこかのマンホールから俺たちは脱出する。


 するとそこには白いバンが1台止まってて。


「待ってたわ! 乗って!」


 ドアを開いて、サングラスを掛けた金髪の女性が。

 ガルザム同様、黒い女性用スーツで身を包んだポニーテールの女性。


 やや童顔だったが。

 ただ、ガルザムより背が高く、女性としては高身長。


 白人のように見える。


 ……日本語で話してるんだけどな。


「ゼルノス待たせたわ! 出して!」


 ガルザムが乗り込み、俺が乗り込むと。

 ゼルノスは頷き


 フルスロットルでバンがスタートした。

 



 数時間バンを走らせて。

 街から遠ざかる。


 そして山に入り……


 俺たちは見たことも無い場所に辿り着いた。

 それは


「我々の組織が所有する拠点です」


 ガルザムの言葉。

 その外観は風化した石造りで、蔦が絡まり、長い歴史を背負った遺跡のような館。


 だけど……

 その重厚な扉をくぐると、中は意外にも整然としていて。

 神々しく、厳かな雰囲気があった。


 ガルザムとゼルノスの2人が俺を案内した先は、広間のような部屋。

 高い天井には古いシャンデリアが吊り下がり、薄暗い光が床に影を落としている。


 俺が辺りを見回していると、2人は。


「とりあえずここで休んでください」


「今後の話は2時間後に」


 それだけ言って、2人は広間を出て行った。

 出ていく直前、ゼルノスはサングラスを外す。


 そのとき、俺は驚いた。


 ……彼女の瞳が赤かったんだ。


 色素が薄いと、赤い目になると、何かの本で見た気がしたけど。

 現実にあるんだ……




 俺は広い部屋に一人取り残される形になった。

 静寂が重くのしかかり、とりあえず俺はソファに腰を下ろして深く息を吐いた。


 すると、頭の中で声が響いた。


『なぁ、ミユキ』


「なんだいタケルさん」


 ……俺しかいないし。

 俺は声を出してタケルさんに応える。


 タケルさんは


『……すまなかった。君の気持も考えずに、逃げろなどと……』


 罪悪感に塗れた声。

 タケルさん、気にしてたのか。


「いいよ」


 俺はそう返す。

 現実的に、合理的に考えれば、逃げるしかなかったのは事実だ。


 タケルさんは何も悪くない。


 俺が将軍ベルゼブより弱いのが悪いんだ。


『……ありがとう』


 タケルさんは俺の返しに、そう感謝の言葉を口にして。

 続いて


『続けて訊くのは申し訳ないのだが……アテはあるのか?』


 アテ?


 俺が飲み込めて無いと思ったのか。

 補足する。


『メギドブラストを上回る必殺技を身に着ける修行のアテだ』


 ああ……


『悪いが、歴史上メギドブラストを上回る技を編み出した聖戦士は存在しない。……聖戦士の組織に修行法を期待しているなら……』


 タケルさんの声は本当に心苦しそうだったけど


 俺は


「……そこは一応ある。心配しないでくれ」


 スッパリと。

 答えを返したんだ。


 タケルさんが驚いた気配が伝わって来る。


 そして


『……それは何だ?』


 そう、期待する声音で訊いて来たので。

 俺は堂々と返した。


 こんな答えを。


「……念写で、将軍ベルゼブがどのように修行して魔光壁を編み出したのかを調べるんだよ」

武術の達人たちは、己の修行をする様子を秘匿する。

何故か分かるね……?


読んでいただき感謝です。

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