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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第8章:絆の力で

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第85話 あなただけ

 俺の手を掴んだガルザムが、市子を残した部屋の前から廊下を走り出した。

 青い聖戦士の鎧姿の、低身長の彼女が俺を引っ張って長い廊下を駆け抜けていく。


 必死でそれについていきながら


 前を見ると、怪物……ナラッカたちがあちこちから出現してくる。

 ……社長がナラッカだったんだ。


 そりゃ、社員だってそうだろうよ。


 異形の化け物共が続々と立ち塞がる。


「逃がさんぞ、聖戦士ども!」


 ナラッカたちの声が反響する。


 俺は玲瓏しようとしたが


「待って」


 ガルザムがそう言って俺を制し。

 右手の蛇腹剣を振るう。


 ガルザムの蛇腹剣は、正確無比にナラッカたちに命中し


「グハアアアアア!」


 蛇腹剣がナラッカの腕や足、身体に当たると

 ナラッカたちは悲鳴を上げてのたうち回る。


 ガルザムはそれを一瞥もせずに


「いきましょう」


 あくまで冷徹に自分の任務をこなしていく。

 これが、ベテラン聖戦士なのか……


 俺は


「なぁ、アンタ。……聖戦士の組織では偉いのか?」


 疑問に思ったから、そう訊ねる。

 彼女は


「代々メギド様のお傍に控える近衛戦士です」


 ……近衛戦士。

 そりゃすごいな。


 そしてガルザムは、走りながら


「ウギャアアアア!?」


 蛇腹剣を振るい、次々とナラッカを悶絶させ無力化していく。

 すごい手際だ……


 さすが近衛戦士……


「すごいな……」


 思わずため息が出た。


 だけど。

 そんな俺とは対称的に


 彼女は走りながら俺を見ず、早口で。

 こんなことを言った。


「落ち着いて聞いて下さい」


 何だ……?


 俺の意識が彼女に向いた。

 彼女は……


「もうすぐ、ナラッカの帝王である天魔王シャイタンが召喚されます。メギド様のお告げです。これまで我々が阻止を続けて来た、ナラッカたちの企てがついに成功するのです」


 そんな、とんでもないことを言ったんだ。




「ちょっと待てよ! どうすんだよそれ!?」


 呼び出されたら絶対に誰も勝てない究極のナラッカだろ?

 そんなものが呼び出されるだって?


 待てよ。

 待ってくれ……!


 混乱し、動揺する俺。


 すると彼女は


「落ち着いて。そう言ったはずですよ?」


 彼女はかなりの速度で走っているが、俺と違って息は乱さない。

 無論、鎧の身体能力向上はあるんだろうけど……


 鍛えてるんだろうな。相当に。


 そして彼女は


「それを阻止できるのは、あなただけなのです。瀬名御幸さん」


 そんなことを言ったんだ。


 俺の思考が止まる。


 ……え……?


 俺が?

 ナラッカの帝王の召喚阻止の鍵?


 俺だけしかできない?

 何で?


 何でそんな、とんでもない役目が俺なの……?


 理解できないし、責任が重すぎて。


 反射的に手を振り払ってしまった。


「どうしたんですか瀬名さん」


 ガルザムは立ち止まった。

 そして少しだけ心配……いや、困惑が混じった声でそんなことを。

 俺は少し震えながら


「俺は市子を救いにいかないといけないのに、そんな仕事は受けられない!」


 責任の重大さに押し潰されるのが怖くて。

 俺はそんなことを衝動的に喋っていた。


 無論、言い訳じゃ無い。

 それは絶対にしなきゃいけないことだ。

 嘘なんて吐いていない


 だけど


「何を言ってるんですか。大事の前の小事です」


 大事の前の小事……?

 その言葉を聞いたとき。


 俺の中で、何かが切れた。


 ……ふざけんな


「ざけんなッ! テメエ女の癖に同じ女が生贄に捧げられるためだけの子供を産む機械にされることを何とも思わないのか!?」


 ……俺は自分が抑えられず、激昂していた。

作者はこういうときには「女の癖に」は言いたい派。

偏見かもしれんけどね。


読んでいただき感謝です。

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