第66話 心霊現象。その原因は……
俺は市子と目で合図をして。
隣の部屋に引っ込んだ。
そして1人、カメラを取り出し。
「玲瓏」
聖戦士の鎧を召喚し、着装。
変身した俺は、部屋を見回した。
……この部屋、書庫だな。
本棚が立ち並び、本がたくさん納められている。
……見たところ、霊の痕跡が無い。
他の部屋か……
多少面倒だけど、変身を解除し。
俺は他の部屋に入ってまた同じことをした。
「おっ?」
そして別の部屋に入って玲瓏からの霊視のコンボを行って
2本目。
怪しいものを見つけた。
小瓶だ。
部屋の隅に置かれている、砂の入った、お洒落なデザインの小瓶なんだけど……
そこに明らかに負のオーラのようなものを感じ取った。
……これか?
しかしなぁ……
何で、自殺した男のオーラは影も形も感じ取れないのか。
そこを変だと頭の片隅で思いつつ。
俺はその小瓶の霊視に集中した。
結論から言うと……
小瓶に詰められていた砂が悪かった。
どうも、砂を採取した砂浜が問題で。
変質者が小学生の女の子を誘拐した後、その死体をバラバラにして埋めていったんだ。
その砂浜に。
死体は一応発見されたのだけど……
犯人はまだ捕まっていないようで。
犯人の顔は見えたけど、その犯人を念写したら、普通に今ラーメン食ってたからな。
捕まってたらおそらく死刑か無期になってるはず。やってる内容が酷過ぎるし。
自分は殺されたのに、その犯人が捕まっていない。
その無念の想いで呪われた砂……
そんなもんを部屋に置いておけば、そりゃ心霊現象も起きるだろ。
(なぁ、タケルさん。こう言うのはどうすれば良いんだ?)
『プシュケーの残滓たる残留思念に呼び掛ける。それで納得して貰えるなら浄化される場合がある』
一応本物の悪魔祓いを知ってるというタケルさんに訊ねると。
そんな返答が。
……分かった。
「なぁ、お嬢ちゃん。俺がアンタを殺した犯人の情報提供を警察にしてやるから、成仏してくれないか?」
そう呼びかける。
これで大丈夫なら良いんだけどな。
すると
「分かった」
いきなり。
ハッキリと小さい女の子の声が聞こえた。
……さすがにちょっと怖かった。
本物の心霊現象……
「除霊は完了した」
俺は変身を解いた後。
問題の小瓶をズボンのポケットに突っ込んでその部屋を出て。
今も霊視を続けている巫女さんの前に出た。
「何を!?」
巫女さんは動揺してる。
不意打ちだったみたいだな。
彼女、結構な美人だけど、なんか魅力ないわ。
この状況だとさ。
まるっきり、追い詰められた小悪党の様子だ。
結果を受け入れられないのかね。
でもまあ、俺の勝ちは揺るがないけど。
「……この瓶が問題だ。これを俺が持って帰るから、心霊現象はもう起きない」
「何を根拠に……!」
巫女さんは焦ってる。
除霊営業が失敗に終わるからかな?
だから俺は
「そんなの、数日経てば分かるだろ。……同じ現象が起きなければ、そういうこった」
そう言い放ち
「市子、帰ろう」
市子に呼び掛け。
一緒に、この市子の両親のマンションを後にした。
どうやって願いを叶える……?
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