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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第4章:賢者アスタル

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第44話 反逆したくなった

 あの記者は「記事なんて売れれば良いんですよ。私は読者が望む取材をして、伝えているだけです」なんて言ってたけどさ。


 買う奴がいるから、書く奴が居る。

 だからあの男のだけの責任とは言えないのかもしれない。


 ……でも。


 なんだか、本当にイライラした。

 仕事の浮気調査で「寂しかった」だの「刺激が欲しかった」だの。

 ふざけた言い訳をする浮気モンどもの戯言を聞かされた気分だった。


 だから……




「合計1688円です。お支払いは6番でお願いします」


 ……田堰の安アパートの傍にある、スーパーに行ってそこで一番高い日本酒と、ツマミにイカリ豆を買った。


「それ、どうするの?」


 日本酒の一升瓶と、イカリ豆が入ったレジ袋をぶら下げてスーパーの外に出る。


 訝し気にそんな俺を見る市子。

 俺は


「……田堰にお詫びに行く」


「は……?」


 俺の言葉を聞いて市子は。

 理解できない、という顔で俺を見た。




「すみません。さっきのお詫びに来ました」


 安アパートに戻りインターホンを押して。

 なんとか田堰に会おうとした。


 ……まぁ、自己満足だけどさ。

 あの記者の言い分に腹が立ったから、田堰をフォローしてやりたくなったんだ。


 田堰は一応、テロ事件の罪についてはムショに入って報いを受けてるんだよ。

 それなのに、その後の人生を晒し物にして……


 そういうのがあったから、また狂ったんだろ。

 ムショに入る前に1回改心したのに。


 ……自分が悪いんだから耐えろ?


 それはそうかもしれないけどさ。


 それでも晒し物は違うだろ。


 その辺を市子に話したら


「……御幸君はそういうところあるよね。皆がやってるからやって良いんだ、みたいなのが嫌いっていうかさ」


 しょうがないな、という風に。

 ……一応、理解してくれた。

 こういうときに、昔から一緒に居る相手ってもののありがたみがあるよな。


 ありがとう、市子。



 インターホンを押して1分ちょっと


「……何だようるさいな」


 一応、田堰がドアを開けて応対してくれた。

 最悪ドア前に酒を置いて帰るだけになるかなと思ったんだけど。


 ……結構律儀な人物なのかもしれないな。


「これ、つまらないものですが」


 言って、日本酒の一升瓶とイカリ豆のレジ袋を突き出す。

 田堰は驚き


「……えっと」


 戸惑い


「なんで?」


 そう、訊き返して来た。




 ……家に上げて貰えた。

 俺が「外でアンタを晒し物にするための記事を書くために取材している記者に遭遇して、腹が立ったので」と言うと。


 なんか部屋に入れてくれたんだ。


 んで

 狭いワンルーム……万年床の横に丸いちゃぶ台が置いてある独身男性の部屋に案内され。


 座布団を勧められた。


 座布団は2枚あった。

 田堰は普段、それを重ねて使っているらしい。


 それを1枚ずつ分けて使い、座って。


 食器棚から田堰が


「飲めるか?」


 そう言いつつ、ガラスコップを取り出して差し出してくれた。

 俺は頷き、受け取り


「いただきます」


 田堰はまず俺のガラスコップに日本酒を注ぎ。

 次いで、自分の分の酒をマグカップに注いだ。

まあ、田堰にしてみれば周りオール敵の状況で、突如出て来た味方だしね。


読んでいただき感謝です。

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