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聖戦士シャーロイル~名探偵になりたかったのに、何故かヒーローになってしまった~  作者: XX
第4章:賢者アスタル

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第42話 ダメ出し。そして……

「こいつがナラッカだったのか……?」


 俺は田堰の家の表札……半分に切った葉書にマジックで名前を書いただけの粗末な表札を見つめつつ、そう呟いた。


 そのときだ。


『……ちょっと待った』


 ……タケルさんからのダメ出しが来た。




『ミユキ。君の成長のため、敢えて静観していたが……』


 タケルさんはやむを得ないという感じで、俺の脳内で語り始めた。


『ここから先は人違いという許されない事故が起きる可能性が高まるから言わせてもらう』


 人違い……?

 なんとなくモヤモヤしていたけど。


 確かに俺は、色々疑問に思っていたけど……


 この鈴の反応で、間違いないのではないかと思いかけていた……


 少し、ゾッとした。

 人違いは許されないよな……


 何が何でも殺すつもりで向かって行くんだから……


 タケルさんは言ってくれた。


『ナラッカの成り代わりのターゲットにされるのは、社会に居場所のない日陰者が多いのは事実だが、成り代わられた後もそのままのケースはそう多いわけではないぞ』


 俺が、忘れていたことを。


『……評価は上げることが出来るからな』





「御幸君! どうするの? この部屋の人、ナラッカなんだよね!?」


 俺がタケルさんの言葉を噛み締めていると。

 そんな声は一切聞こえない市子が俺に、焦り顔で確かめて来る。


「……いや、そう決めつけるのは早計だ」


 俺は崩壊した魔鈴の残骸を拾いつつそう返した。


「田堰がナラッカだとすると、理屈に合わないことがあまりにも多い」


 俺は言葉にした。


 ブラック企業で働いているのも変だし。

 一度は改心した人間なのも不自然。


 この近辺にスーパーがある。

 そこで聞き込みして、田堰が買い物をしてるようなら、いよいよだ。


 腹が膨れるわけでもなく、大して美味くもない食べ物を買う。

 意味不明じゃないか。無駄遣いってもんじゃない。


 そんな話をした。


 すると


「……うっさいなぁ」


 ガチャ、と。

 安アパートの玄関ドアが開き。


 目がショボショボの、40過ぎのおっさんが出て来た。


「俺はクソ会社でパワハラ受けて疲れてんだ! ゴチャゴチャ騒ぐなアホ!」


 そして出て来て、一喝して来た。

 こめかみに血管を浮き上がらせながら。


 その剣幕に


「すみません」


「さーせんでしたぁ!」


 ……謝るしか無かったよ。


 過去の写真とちょっと違う気がしたけど。

 多分、この人が田堰で。

 その様子に、やっぱり不自然だと思った。


 ……ここまでボロボロになる必要あるか?

 生きていくのに必要ないのに。




 田堰の安アパートから立ち去った。

 ……分かんなくなってきたなぁ。


 でも、あの近辺にナラッカは確実に居るんだよな……。

 何とかしないと……


『ミユキ。ひょっとしたら……』


 そして脳内で、タケルさんが何か言い出そうとしたとき


「すみません」


 俺たちの傍に、男が来ていたんだ。

 ニマニマ笑いを顔に張り付けた、ちょっと胡散臭い男だ。


 見たところ俺よりちょっと上くらいの年齢で。

 ボサボサ頭で首からカメラをぶら下げ。


 赤黒い色のジャンパーを着ていた。

 見た感じ……


「あ、俺こういう者です」


 スッと名刺を差し出して来る。

 そこには……


 フリーライター・梶山かじやま恭太きょうた


 フーン……記者の人か。

 そう思いつつ、名刺を見つめる。


 そして


「で、何の用?」


 訊くと


「ええと……」


 彼は頭を掻きつつニヤニヤして

 俺に


「実は私、今……垂井明日花火炎瓶事件の記事を書いてましてね……」


 そう話を切り出し。

 俺に


「どうでした? あの、元犯人?」


 ……そんなことを訊ねて来た。


 その様子に何だか……

 俺は嫌な気分になったんだ。

記者の目的は?


読んでいただき感謝です。

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